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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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3番目は大澤彰さんの環境共生住宅です。

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 白一色の模型です。ここまで細かな細工がきっちりつくられた模型は今までなかったかと思います。相当に気合いを入れて頑張られたものでしょう。どの図面を見ても、細部まできちんと描かれ、納まりや素材まで吟味されているのが読めます。おおざっぱな性格の私にはとても描けないですね。模型だけでなく、建築そのものも完成度が相当に高く、しかも、今日環境共生住宅として求められている省エネ性能まできちんと計算されているのですから、驚きというしかありません。定年で退職されたお仕事が技術開発にかかわる内容であったとはいえ、ここまで根を詰めて打ち込めるという気力にはただただ、脱帽するしかありません。

oosa02.jpg

 画像が小さくてとてもこの断面詳細図がよみにくくなってしまっていますが、小屋梁が細い以外は、ほぼ完璧な詳細図です。断熱の仕様や造作の納まり、シロアリ対策まで検討して描かれているのですね。

 プレゼンにあった設計趣旨をそのままコピーしておきます。


oosahouse04.jpg

 建物の仕様から、熱損失係数まで計算されています。このほかに添付された壁量計算書も完璧でした。透視図は前回に紹介しましたね。優等生の作品というだけでなく、センスもどうしてどうして、とてもいいですし、きちんとできている安心感まで図面に現れています。後は、道具として優れた建築にプラスして、皆に愛される魅力をどうやって生み出せるか、それを模索して欲しいと思います。
どうしたらいいかって?それは僕にもわかりません。

oosahouse03.jpg

 ほかの諸君もがんばって、この3人に追いついて欲しいです。この3人はたまたま素晴らしい作品ができたというのではなくて、努力が素晴らしい。建築に向かう姿勢を高く評価したいと思います。欲を言えば、一人でがんばるのではなく、ほかの人たちと一緒にいいものを目ざす、人のつながりを積極的につくっていくという姿勢も学んで欲しく思います。建築は一人でつくるものではないからです。                              (さの)

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木造住宅作品の2はいっしーこと石原理恵さん。「人とペットが暮らす家」です。

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 まずは模型写真から。これも女性らしいかわいいというか、柔らかな印象の家です。このチームは、先の日下部さんもそうですが、洋風の家並みというテーマでまちの景観を揃えるべく、屋根は簡単な切妻、家の形はなるべく簡素な箱形という方針をもって臨んでいます。
 ちょっと柵を黒っぽく塗ったのは、強すぎたようですね。屋根瓦は丁寧に着色されていて、色の変化をつけようというもののようです。壁は淡いサーモンピンクになっています。立面図にあるように、模型にもがんばって出隅部分に石積みの表情を見せて欲しいですね。


ishihouse01.jpg

 

人とペットとが暮らす家  石原理恵
 
*爪研ぎをされやすい柱を隠した大壁つくりとする
*日本の漆喰よりも硬度のあるプラスター塗り
*床も固めのナラを採用、掃除がしやすい
*キッチン回りの床はペットが食べこぼした餌を掃除しやすいタイル貼り
*玄関、ポーチにゆとりを持たせて、ゲージなどかさばるペット用具を置く
*勝手口にペット専用の出入り口を設ける
 
人のために、
*納戸の北側に勝手口を設け、洗面所から物干し場に行きやすくする
*玄関前のポーチを広くとり、自転車を置けるようにする
*玄関とリビングの大部分を吹抜けとして、開放感をもたせる

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 この立面図の瓦の表現はとてもきれいですね。模型のように模様として出すのは、ヨーロッパにも例がありますが、瓦屋さんはたいへんでしょうな〜。

 石原さんの真骨頂は、パースの上手さ!というよりも、絵がうまいなあ。建築を絵本仕立てで表現していた子が以前にいて、ああ、そんな手もいいもんだなと感じたことがありました。石原さんなら本当にできそうですね。やってみたらいいね。あまりに正確な透視図というのは、描いたところで、そんなに面白いものでもないと思っています。石原さんの絵は、その意味で、透視図法的な正確さよりも、むしろ、視点が動いて多透視図法のような表現の方がいいのではないかな。

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 全体として、外観も含めて、まだまだ手を入れるべきところがいっぱいあるように思います。断面の決め方でも、頭で、寸法的に決めているところがあるようです。もっとこういう民家風の建築は、先の日下部さんの家のように、おおおらかでぼっこりしたプロポーションの方がいいでしょう。もっとたくさんの民家事例をご覧になることです。        (さの)
 前期試験も終わり、建築科1年の前期設計課題「木造専用住宅」の発表会が9月16日におこなわれた。他より抜きん出ていた3作品を紹介しよう。まずはク〜さんこと日下部里実さんの作品。平面も断面も中間発表とほとんど変わっていませんね。

kusahouse03.jpg


kusahouse02.jpg

2階の夫婦寝室の窓が2連になったくらいのものかな?模型で見ると、あれ?入口や窓がずれてますね。模型をつくる頃に風邪をこじらせていましたから、混乱があったのかもしれません。
 全体に女の子らしいかわいらしさが出ていますが、模型で見るように、ポーチの庇や窓のデザインがとてもいいですね。やわらかい壁の表情とあいまって、とても質のいい魅力的な住宅となっています。前にはなかったリビングの頭上の2本の梁は、増築用でしょうか。室内はちょっとペンダント照明が多くて煩いかもしれません。

kusahouse01.jpg

 ほかの2人、石原さん、大澤さんの作品に見られるテクニカルな巧みさは表にあらわれていませんが、デザインのまとめかたのセンスのよさには脱帽です。住むのならこの家だなと、学生たちにも評判がよかったです。                         (さの)


 建築科1年生に意匠演習という授業があり、近年はデザインよりも、建築スケッチの描きかたを学んでもらっています。最初は簡単な立体イメージや風景を描きますが、途中で図学の演習もおこない、とくに透視図法を勉強し、パーススケッチに利用できる簡単な透視図法を練習して行きます。以下に今年の生徒君たちの作品を紹介しましょう。



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 学校では小さなスケッチブックを買ってもらい、授業にも使いますし、自分でどんどん描いてもらっています。上は北区にある今宮神社の門前の有名なあぶり餅屋さんですね。ぼくも好きでときどき行きます。炭火で焼いて香ばしく甘いみそ味のあんがかかった串のお餅をいただきながら眺める、向かい合った二つのお店のたたずまいは、昔と変わりません。ナカニシ君のこのスケッチもそうやって描かれたんでしょうね。とてもよく描けています。


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 樹木のスケッチです。全体の姿をさらっと描く描きかたを教えています。天気がよければ、近くの京都御所に行って、木陰で目の前の木を描いてもらうのですが、この日は雨で、教室でスライドを見ながら、描きかたのワンポイントレッスンをして、5,6分で描いてもらいます。上はイシハラさんのとても上手いスケッチ。


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 さて、図面から透視図(パース)を起こしてもらう練習をして、いくつか、いろんな室内を描いてもらいます。上は和風の座敷を通して、庭の構成を描いてもらうもので、段差もあって、やや難しいものです。これもイシハラさんのスケッチです。風ではらんだお軸といい、廊下の壁にかかった大きな魚の絵といい、楽しそうですね。でも、建築空間をじっと見つめるには、ちょっと邪魔だとおもわないかい?

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 これは町家の内部を描いてもらったオオサワさんのスケッチです。ひとつひとつごまかしなく、きちんと描けています。欲を言うと、中央の柱に集まる4つの空間の表情を描いて欲しかったのですが、律義に建具を立てて描いてくれたのですね。ちなみに、町家では、手前の部屋には天井を張らず、梁があらわしになっているのですが、オオサワさんは座敷風にしたかったのでしょう。


kusakabe03s.JPG

 食い違いのある二つの空間を描く練習。これはクサカベさんのスケッチ。6畳ほどの間の窮屈さはちゃんと描けていますが、奥の部屋はやや奥行きを取り過ぎたかも。

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 最後は、今設計している各自の木造住宅のインテリアーをパースに描いてもらっています。これもオオサワさんの作品。ここまできちんと描くには、そうとうの時間がかかったことでしょう。見事というしかありません。

 以前は手描きの透視図をきちんと描き、着彩して図面に添付してもらいましたが、今頃はCADデータから3次元に起こしてパースを描くことが容易にできるようになりました。学校でもグーグルスケッチアップというソフトを用いて、透視図の世界に親しむよう指導していますが、数十分で室内の様子が見て取れるパーススケッチの手軽さには及びませんし、設計を進めるスタディのために、これほど役に立つものはないと思っています。ぜひ、手慣れて、わがものとしてください。

                                            (CADになじめないサノでした)


karatohana0825.jpg

ワタル :夏休み中の三条白川にほど近い東山区の町家改修工事です
     7月末頃、竹小舞を編んでいました
テラダ :庇部分にずいぶん時間がかかって、やっと壁下地をつくるところまでたどり着けました
キリヤマ:お盆前に荒壁をつけました
ワタル :暑くてしんどかったです

karatohana08251.jpg

サノ  :今日(8月25日)木匠塾が終わって、久しぶりに現場を覗きに来たよ
タダ  :壁ちゃんと塗れてるじゃん
テラダ :奥の2階屋は木村棟梁が揚げ前をしてくれるので、回りを解体整理しています
タロ  :図面しか見てなかった現場に初めて来て、ずいぶん広くて驚きました
     これからまだまだたいへんそう
ワタル :がんがん行きますよ
イシイ :もう後期授業が始まってしまう〜、いやだ〜、ここで仕事している〜

karatohana08252.jpg

サノ  :まあまあいい感じで塗れているね もう一度砂を混ぜた土で塗り重ねて、貫伏せを
     しよう
テラダ :木村棟梁が揚げ前をしている間に、壁塗りと水回りの柱を入れます
タロ  :女の子インテリアチームが図面をがんばってます
サノ  :給排水設備が絡んで来るので、勉強してもらおう
     タダ君、屋根の納まりをよく見ておいてね
タダ  :今の棟包みから下に流せばいいと思いますよ

karatohana08253.jpg

ワタル :奥の二階屋です
サノ  :広縁に上がる玄関に面して、引き違いの格子戸を透明ガラスで入れたいね
     庭を見せよう  中間の柱は2本とも抜けるね
タダ  :差し鴨居にして束を受けてやれば行けると思います
テラダ :ここに耐力壁を入れる計画になってますが、受ける柱がありません
サノ  :本当だ  柱を入れて根がらみを回そう
     この六畳はみんなが集うところだから、なるべく広く見えるようにしよう
     階段の押入は下段だけにして、上を透かそう
     キッチンカウンターは木製にしたいね
タロ  :風が通るようにしたいですね
タダ  :通し柱が細いっすね 補強をした方がいいんじゃないっすか?
サノ  :この夏、木村棟梁が京大で通し柱の震動実験をやっているので、棟梁に聞こう

          (ワタル+テラダ+イシイ+キリヤマ+タロ+タダ&サノ)


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