現在のゲートは校舎と同じ鉄筋コンクリート造で、これに伝統的な風情に合わせて、瓦屋根を載せよう、杉板を張ってみようというものである。全部壊してつくりなおすという案もあったが、費用がかかりすぎるので、リフォーム案が採択された。
残念ながら、道路までの距離がほとんどないので、瓦の軒がほぼ壁面にそろってしまうという姿になるのであるが、仕方ない。皆であれこれ議論して、正面に目板張りの杉板竪張り、抱きの部分は土壁塗りとし、腰に伝統の納まりとすることにした。正面に現在ある植え込みを出窓風のショーウインドウにし、その屋根を大和葺き板屋根にしようと。
でも、どうも田舎臭いなあという意見があり、重ね板張りにすがる破風を添えたものでデザインし直している。やや框を低めにして、前面をガラス框戸で開けられるようにする。脇にポストを仕込むなど、結構難しいものになりそうなので、この出窓一式は、指導してくれる木村棟梁に頼むことになった。
屋根の軸組については、次回に紹介しよう。 (さのはるひと)
●「京都建築専門学校 卒業制作展」
日時:2月26日(火)~3月2日(日)
場所:ギャラリーみすや(三条通河原町西入る)
昼間部学生が中心となって企画。設計あり、ものづくりあり、2年間の集大成を展示します。
●「ATC関西学生卒業作品展」
日時:3月20日(木・祝)~24日(月)
場所:ATC・ITM棟10階(大阪デザイン振興プラザ)
夜間部学生を中心に参加、大阪にて関西の学生の卒業作品が一同に出展されます。
「稲荷山の家」は、退職された先生夫婦のために伏見区に設計した家で、すべて木と土壁でつくってみたところ、なかなか住み心地がよいと好評をいただいた。 建てるときにも学生たちに柿渋やべんがら塗りなどを手伝ってもらったが、その後も、塀のスタッコ塗りや柿渋塗りなどのメンテナンス、暮れの大掃除には学生たちに手伝ってもらっている。吹き抜けの居間にかかる丸太の梁の上にたまる埃を拭く掃除は、若者でなければできない。そんな家を設計した責任もあり、建てて終わる関係ではなく、こうしてお付き合いが続くのも悪くない。悪くないどころか、その度毎に、若い学生くんたちに住宅を見学させていただけること、家づくりで大事なことがどこにあるかを考えてもらういい機会になり、寛容なご主人に感謝感謝である。
昨年の暮れのことになるが、例年の大掃除のついでに、幾度も柿渋を塗ってきたために黒ずんだ縁側を若返らそうと、サンダーで表面を削る作業を行った。ちょっと広めの縁側は、農家風の家に無くてはならない空間であるが、洗濯物干しやひなたぼっこや月見、友人達との宴会など、おおいに利用されているようだ。柿渋は時折雨が吹き込んで濡れる縁側の杉板を保護するために塗っているが、直射日光が当たって、黒ずみ、どうもいい感じにならない。
表面を削り落とし、手でペーパーがけしてやると、馴れた白木になって、見違えるように。でも、このままでは心配なので、油引きをして保護してやろうと。エゴマ油を塗り、拭き取ってやると、濡れ色に。写真ではちょっと派手派手しいが、乾けば、落ち着くはず。すべての作業が終わり、これまたいつものようにご主人の心温まるごちそうをいただき、ともに楽しい時間を過ごすのでありました。いつまでもお元気でこの家と健やかにお暮らしください。 お手伝いいただいた学生諸君、お疲れさま。ありがとう。 (さのはるひと)
お世話になっている方々をご招待して、新年のご挨拶を。
思えば秋の茶会であまりお点前の練習が出来ずに本番を迎えてしまったくやしさか、
それからというもの、「まごころを込めて基本をしっかりやろう!」と、初釜の茶会を企画、練習してきました。
当日の朝から集合したお茶部の面々は、さっそくお菓子作り。
初釜のといえば花びら餅です。試作していたせいかなんとか成功したようです!
台所ではもうひとつ、今回の秘策の品が作られています・・・
そう、それは「そばがき」!だしの中に見た目はつくね?のそばがきと、かぶら、薬味を添えて。
部長の荒井君からご挨拶。
「お茶なら懐石では?と思われるかと思いますが、
私達で出来るものをと、そば粉やだしにもこだわって作りました!」
さて皆さんの反応は・・・??
「うん、味はいける!!」
やったー!
「けど、お茶の前に刺激のあるものを出しちゃだめだよ~」
ガーン!!そ、そうなのか…!勉強になりました。
でもみなさん美味しいと、楽しそうに食べてくださり、とっても嬉しかったです。
(終了後、ご近所の方にも持って行ったのですが大好評でした♪)
そして二階座敷へ場所を変え、本席の薄茶のはじまりです。
亭主は二年生の山本・鈴木。正客は本校理事長。
花は紅白の椿と梅です。
理事長は秋の茶会にも来てくださっているので、どう思われたでしょうか。緊張の一瞬です。
指導をしてくださったお茶の先生の顔を思い浮かべつつ、
細かい事よりも堂々とやること!全体の間を大切に!はぁ~。心臓が…
半東が手作りの花びら餅だと伝えると、皆様とても喜んでくださり、今まで準備をして良かった~!と心が軽くなりました。
亭主交代制で(邪道?!)お点前は進み、練習の成果か皆落ち着いて出来たと思います。
お客様方同士は皆初対面が多かったかと思いますが、その中でもこのお茶会を通して交流が生まれていたことが、とても良かったなと思いました。
お忙しい中お越しいただきました皆様、ご協力頂いた皆様、お茶部のみんな、
そして困っていたお茶部をやさしく指導していただきましたS先生、S先生、Y先生、本当にありがとうございました!
(よしやまち よしだれな)
冬休みに入ったところで、夏休みにできなかった教室の壁塗りをしました。学生たちも町家の土壁塗りを経験して、ずいぶん腕を上げたでしょうから、この時期でちょうどいいのかもしれません。コテを揃えて数を確認、まずは塗る面の養生をします。コンクリート打ち放し面にプライマーを塗り、下塗り用のサンド(モルタル)を薄く塗って目違いを埋めます。これで平らな面ができました。
いよいよ中塗り土による仕上げ塗りです。「こつち」と呼ばれる土3袋に砂を篩って、中塗りすさを加え、水でよく練ります。ざらっとした表面になるように、ちょっと砂とすさを大目にしています。出来上がりのこてむらが少しはマシかな~と。下塗りが出来次第、水が引かない内にどんどん塗って行きます。学生たちはみな真剣、休みもとらず、頑張ってくれました。最後に養生を取り払い、チリ掃除をしながら納めます。教室が泥だらけになっているので、これも掃除。ようやく出来上がりました。みなさん、ご苦労様。
学校には大学を出てから左官屋になった建築家、森田一弥先生がいますが、ちょうど今はスペインに留学して留守です。帰って来てから見てもらいましょう。しばらくしてから、この上に何か仕上げ塗りをしてもらってもいいですね。 (さのはるひと)
- メニュー
- 最新記事
- 京都建築専門学校
- ブログ内検索