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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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 建築科2年のナカニシです。明けましておめでとうございます。本年も学校ブログをよろしくお願い致します。新年は5日から平成の京町家の現場作業をはじめました。といっても、地方の学生は誰も戻って来ず、学生は京都地元組のオ〜サワさんとタモリ君と僕だけの参加となりました。

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それにしても、足場が取れて、すっきりとしました。大妻面の焼き板も張れたので、これからいよいよ仕上の段階に入って行きます。

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内部造作はタダさんが着々と進めて行き、奥の間の床の間まわりもほぼできあがりました。後は壁を付けていくだけのようです。

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 次の週、7日にはオグリ君とオ〜サワさんが加わりました。左官屋オグリ君は正面の付け送り塗りをしてもらっています。オ〜サワさんによる正面の袖壁の外側の焼き板張りも片面ができました。初仕事ですね。僕とモリタ君とで、平屋部分の焼き板張り作業をしています。

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 8日にはオカノ君も復帰、事故の怪我もだいぶよくなったようです。オグリ君の補助をやってもらっています。付け送りとは、荒壁土で、でこぼこを均し、厚みをつける塗り作業で、柱の残りのチリ寸法を気にしながら、表面を平らかにして行きます。

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 この大きな壁の真中に半柱が立っていますので、それを埋め込み、割れを防ぐために、寒冷紗で貫伏せを施します。オグリ君、どんどん上手になって来ているなあと感心。

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 10日、少なくなった荒壁土を1.5m3補充しました。ふたたび、道路にぶちまけた土を運び込みます。これで庭の塀の分も行けるといいのですが。僕たちは次の仕事、塀の刻みをやります。久しぶりの大工仕事です。
                            (学生棟梁のナカニシでした)



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2年のオオシタです。今日は今年最後の作業日です。朝から足場の解体作業が行われています。

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 8月から組み立てられた足場ともこれでサヨナラです。ずいぶんお世話になりました。本当に足場がなくなっても大丈夫なんだろうか?焼き板も高いところはすべて張り終えたし、軒樋も付けた。破風も塗装したし、大丈夫だろうね。

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 先日塗った階段室を見上げています。足場板を通す関係上、まだ一部、裏返しと荒壁付けができていないので、これを何とかしなくては。足場板を外して、小舞編みを補充します。

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 タダさんの落し掛けの仕事が終わったので、さっそく、オ〜サワさんとこの小壁の小舞を編みます。今日の作業は午前中までで、後は掃除をするので、壁はつけられないですね。来年の仕事となりました。

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 午後から校長先生が見えたので、一緒に記念写真です。ほら、もう足場がなくなっています。玄関を出ると、外が広い! 誰だ?二階の庇に上っているお調子者は。ともかく、これで今年の作業はおしまい!みなさん、ごくろうさまでした。また来年、よろしく!
                    (この後さっそく淡路島に帰るオオシタでした)








2年のオグリです。春から左官屋の仕事に就きます。それまで、ここで精一杯練習しておこうと、壁塗り担当をやっています。最初からのことを思えば、ちょっとは上手くなって来たような気がします。

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上の写真左は、階段室の壁です。外側から荒壁を塗っているので、竹小舞が見えています。この後で、裏返し塗りをする予定です。ここは吹抜けていて、足場がたいへん。一番の難所です。右は北面で窓の上にある小壁を塗っているところです。身長が180cmあるので、比較的高いところまで手が届いて重宝されています。

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 暮に近い頃になって、左官学校の山本先生が再び塗りの協力に来てくださいました。どんどん塗っていかれるので、才(さい)取り役が張り付いて土を渡して行きます。先生が陣頭に立つと、皆も塗る人、土を渡す人、運ぶ人、練る人、それぞれに追いまくられて行きます。みるみる内に裏返し塗りが進みました。これで正月休み前に荒壁を付けるという算段ができました。山本先生に感謝です。

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 翌日は、山本先生が来られないので、追いまくられることもなく、少人数でのんびりと昨日の塗り残しを仕上げて行きました。のんびりといっても、静かに丁寧にという意味で、決して遊んでいるわけではありませんよ。僕は階段室の一番高いところに登って塗りました。写真は吹抜けに足場板を渡した上で作業しているオオシタ君です。
 これで後は28日の最終日の作業を残すだけになりました。僕も28日の午後の列車で岐阜に帰ります。

                        (岩村出身のオグリでした)






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 ナカニシです。年内に足場を撤去するという先生の言葉で、壁塗りはオグリ君に任せて、一同
はひたすら妻面の外壁工事に集中しました。荒土を裏返し塗りとして、高さを調整し、断熱材で
あるフォレストボードを2重に張り、防湿透湿シートを張って、縦、横の胴縁を打って焼き板を
釘打ちします。けっこう手間がかかって、ようやく年末に間に合わせられました。やれやれです。

焼き板はまだ炭が残っていて、作業が終わる度に、真っ黒になった顔を洗わねばならなかったで
す。下端を重ねて張って行くのですが、製品の端がきれいに揃っていなくて、ゆがんでいます。
水糸を張って、左端を揃えて張るのですが、ぴんと揃わないぎざぎざのラインも、なかなかいい
ものだと思いました。これを真っ直ぐに切ると、切り口が白くなるので、切らなくてよかった。

一番上の板は短いので、どうしても切って行きますから、切り口が白く出ます。張り終わって
から、墨で黒く塗ろうということになりました。釘は普通の丸釘をそのまま打ちます。叩いて
潰して打てばいいのですが、そんな手間がかけられませんでした。全体に黒くなった大きな妻面
は、なかなかいいものです。とても気に入りました。


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12月に入っても、見学会がときどきあって、この日は文化財に用いる木材に関する団体さん
が見学に来られました。さの先生が説明された後、ちょうど駆けつけて来られた福田校長先生
も、お話を。校長は前回も京都府文化財保護課員として、この団体を相手に清水寺の工事の説
明をされたそうです。

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 また別の日には、夕方の薄暗くなった頃に、大勢の見学の方が来られました。皆さん
とても熱心にご覧になられていました。竹小舞を編んだ土壁が今日にもなお行われること
に驚かれた様子。僕たちにとっては、これがふつうなんですが、。というよりも、普通の
ボードや合板の工事をしたことがないので、。。。

 見学に来られた方の中には、町家に住んでおられて、改修の際には、工務店に土壁は
できないからと、石膏ボードに土塗りでやってもらったけれども、できるんだったら、
ちゃんとやってもらえばよかったと話しておられました。工期や費用の条件もあるので
しょうけれども、工務店の中には、土壁をやったことがないので、今日はできないものだ
と決めつけているところもあるそうです。皆さん、土壁はいいものだと考えている一方で、
もうそれは今のやり方ではない、古い技術で、もう出来ないんだと自分に言い聞かせて
おられるようですね。確かに、手間は相当にかかるし、腕のよい職人さんでないとダメ
だし、養生はたいへんで、乾かす時間もずいぶんかかって、工期がかかり、コストもはね
上がるということは、言えますね。でも、やっぱり、いいものだということを示して
みたいです。

                          (ナカニシでした)






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12月に入り、学生たちの外壁工事と並行して、多田棟梁の造作工事が淡々と進んで行きます。
まず、中の間の地袋の天板が取付けられました。これから土壁を塗って行くので、汚さないよ
うにしなくては。

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次に、掘りごたつです。畳の割り付けをきちんと出して、それにしたがって枠を
つけます。深さは35cmほど。底板に床暖房がつきます。側には杉板が断熱材を
介して取り付きます。なかなかたいへんな工事です。きれいにできあがりました。
これで床板を張れます。

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 もっとも難しい一つが、床の間の納まりです。床柱には、北山杉の丸太をタイコに落した
ものをつかっています。今回は左側に押入がつくので、左側は標準の内法高さ5尺7寸で、
鴨居がつき、右側に落し掛けがつきます。落し掛けには、町家にはあまりつかわない北山の
絞り丸太を使ってみました。下の床框にも絞り丸太をつかっています。茶室のスタイルですが、
それをざっくばらんにやってみようという趣旨です。
 議論し、あれこれ試してみたのが、落し掛けの納め方です。通常は右側にあるように、丸太
同志の納まりとして、丸みをきちんと拾って、ねぶり付かせるやり方ですが、どうもざっく
ばらんという行き方にそぐわない。あえて、思い切って、ずどんと切って、納めてみようと、
右側にあるように真っ直ぐ切り落として、つけてみました。高さも、茶室風の左側よりも、
ずっと高く、おおらかな感じで上げています。

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 この日はついに落し掛けを納めるだけで費やしてしまいました。多田君には、何度もつくり
直してもらい、一緒に勉強したものです。ちょっとしたことですが、とても大事な箇所ですね。
さて、この狙いがどう見えるか、出来上がってから、みなさんの感想を楽しみにしています。

                                   (さの)


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