12月に入り、学生たちの外壁工事と並行して、多田棟梁の造作工事が淡々と進んで行きます。
まず、中の間の地袋の天板が取付けられました。これから土壁を塗って行くので、汚さないよ
うにしなくては。
次に、掘りごたつです。畳の割り付けをきちんと出して、それにしたがって枠を
つけます。深さは35cmほど。底板に床暖房がつきます。側には杉板が断熱材を
介して取り付きます。なかなかたいへんな工事です。きれいにできあがりました。
これで床板を張れます。
もっとも難しい一つが、床の間の納まりです。床柱には、北山杉の丸太をタイコに落した
ものをつかっています。今回は左側に押入がつくので、左側は標準の内法高さ5尺7寸で、
鴨居がつき、右側に落し掛けがつきます。落し掛けには、町家にはあまりつかわない北山の
絞り丸太を使ってみました。下の床框にも絞り丸太をつかっています。茶室のスタイルですが、
それをざっくばらんにやってみようという趣旨です。
議論し、あれこれ試してみたのが、落し掛けの納め方です。通常は右側にあるように、丸太
同志の納まりとして、丸みをきちんと拾って、ねぶり付かせるやり方ですが、どうもざっく
ばらんという行き方にそぐわない。あえて、思い切って、ずどんと切って、納めてみようと、
右側にあるように真っ直ぐ切り落として、つけてみました。高さも、茶室風の左側よりも、
ずっと高く、おおらかな感じで上げています。
この日はついに落し掛けを納めるだけで費やしてしまいました。多田君には、何度もつくり
直してもらい、一緒に勉強したものです。ちょっとしたことですが、とても大事な箇所ですね。
さて、この狙いがどう見えるか、出来上がってから、みなさんの感想を楽しみにしています。
(さの)
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