ナカニシです。年内に足場を撤去するという先生の言葉で、壁塗りはオグリ君に任せて、一同
はひたすら妻面の外壁工事に集中しました。荒土を裏返し塗りとして、高さを調整し、断熱材で
あるフォレストボードを2重に張り、防湿透湿シートを張って、縦、横の胴縁を打って焼き板を
釘打ちします。けっこう手間がかかって、ようやく年末に間に合わせられました。やれやれです。
焼き板はまだ炭が残っていて、作業が終わる度に、真っ黒になった顔を洗わねばならなかったで
す。下端を重ねて張って行くのですが、製品の端がきれいに揃っていなくて、ゆがんでいます。
水糸を張って、左端を揃えて張るのですが、ぴんと揃わないぎざぎざのラインも、なかなかいい
ものだと思いました。これを真っ直ぐに切ると、切り口が白くなるので、切らなくてよかった。
一番上の板は短いので、どうしても切って行きますから、切り口が白く出ます。張り終わって
から、墨で黒く塗ろうということになりました。釘は普通の丸釘をそのまま打ちます。叩いて
潰して打てばいいのですが、そんな手間がかけられませんでした。全体に黒くなった大きな妻面
は、なかなかいいものです。とても気に入りました。
12月に入っても、見学会がときどきあって、この日は文化財に用いる木材に関する団体さん
が見学に来られました。さの先生が説明された後、ちょうど駆けつけて来られた福田校長先生
も、お話を。校長は前回も京都府文化財保護課員として、この団体を相手に清水寺の工事の説
明をされたそうです。
また別の日には、夕方の薄暗くなった頃に、大勢の見学の方が来られました。皆さん
とても熱心にご覧になられていました。竹小舞を編んだ土壁が今日にもなお行われること
に驚かれた様子。僕たちにとっては、これがふつうなんですが、。というよりも、普通の
ボードや合板の工事をしたことがないので、。。。
見学に来られた方の中には、町家に住んでおられて、改修の際には、工務店に土壁は
できないからと、石膏ボードに土塗りでやってもらったけれども、できるんだったら、
ちゃんとやってもらえばよかったと話しておられました。工期や費用の条件もあるので
しょうけれども、工務店の中には、土壁をやったことがないので、今日はできないものだ
と決めつけているところもあるそうです。皆さん、土壁はいいものだと考えている一方で、
もうそれは今のやり方ではない、古い技術で、もう出来ないんだと自分に言い聞かせて
おられるようですね。確かに、手間は相当にかかるし、腕のよい職人さんでないとダメ
だし、養生はたいへんで、乾かす時間もずいぶんかかって、工期がかかり、コストもはね
上がるということは、言えますね。でも、やっぱり、いいものだということを示して
みたいです。
(ナカニシでした)
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