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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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 5月は修学旅行で洛中を行き交う中学生たちの姿が多いですね。この日も静岡県のM中学校の3名が土壁塗り体験を希望して学校にやってきました。先月に塗ってもらった壁の裏返し塗りをしてもらうことに。裏返し塗りはちょっと柔らかめに荒土を練って隙間に詰め込みます。

mikkabi0524.jpg

 まずブラシで前に塗ってもらった土をよく塗らします。コテ板から土をコテに載せる練習をして、さあ、塗ってください。でも、最初からうまく塗れないもの。土は下にぼとぼと落ちてしまいます。もっとコテをスライドさせて、擦り切るように抜くんだよ。下半分を塗り終わる頃にはずいぶん勝手がわかってきます。狭い脚立の上で二人並んで塗る姿の何と可愛いらしいこと。

 途中からは、才(さい)という大きなフォークで土を受け渡す作業をやってもらいました。だんだんスムーズに塗れるようになって、一時間もかからないで無事塗り終わりました。道具を洗ってもらっている間にちり掃除をして、すべて終了!記念写真を撮って、町家にてお茶ならぬジュースで休憩です。どう、疲れたかな?面白かった?などと話している内に迎えのバスの時間になり、帰って行きました。お疲れさま。

                   (何だか孫を見ているような気になりました/さの)




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オ〜サワです。先日行った杉材の絶乾密度を測定する実験を行いましたが、ご覧いただけましたでしょうか?
http://kyotokenchiku.blog.shinobi.jp/Entry/327/
木片を電子レンジで熱し、水蒸気を飛ばした際に、木片から水蒸気とは明らかに異なる煙が出ていました。おそらく内部が焦げているのではないかと、確認したくなって、木片を割ってみました。

mokuhen05152.jpg

これが木片1です。左の年輪が見える画像で赤身の外側に近い辺りが黒っぽくなっているのがわかるでしょうか。ここからうっすら青い煙がでていて、かなりの熱をもっていました。割ってみれば、右の画像ですが、中はやはり、焦げていました。もわもわとすごい勢いで煙を上げていた木片2の方は?

mokuhen05151.jpg

おお、すごいことになっています。もう少しのところで炎を上げて燃え出すところだったのかもしれませんね。焦げてぼろぼろになっていました。

電子レンジでマイクロウエーブを照射すると、内部にある水分子を震動させ、熱を発生させます。外部はおそらく、熱が放射された分だけ、温度が上がらず、燃焼に至っていないのに対して、内部は熱が逃げずに、その分だけ高温となって燃焼したと考えられます。電子レンジは通常見かける燃焼現象とちがって、見えない内部で燃え出すので、なんだか怖いですね。気をつけましょう。
                              (建築科2年 オ〜サワでした)




maruta0509.jpg

 建築科2年のオ〜サワです。施工図と加工チェックを担当しています。本当は私も木材刻みをやりたいのですが、原寸図描きに追われてぜんぜん余裕がありません。この日は二階の丸太小屋梁を受ける敷き梁の寸法採りをしました。Bチームのみんなが毎日がんばって削ってくれたおかげで見違えるようにきれいな松丸太ができています。長く太い丸太を2本、据えてみました。図面を描くのに必要な寸法を採ります。(5月9日)

maruta05101.jpg

 5月10日、風が冷たい夕べ、学生葭塾で丸太梁の墨付けを福井塾長に教えてもらいます。木工チーム全員参加です。1年生も参加して手伝ってくれました。ありがとう。塾長からの指示で、まず下の主になる梁のレベルを正しく据えました。前日に選んだ上に継ぐ丸太は角度が変わると反りが合いません。他の丸太と交換となりました。

maurta05102.jpg

 駐車場のライトを落して、レーザーでレベルを採ります。タダさんがレーザーの線に沿って墨付けをします。レーザーがなかった昔はどうしてやったんでしょうね?(そりゃ、水糸を引いて、それでレベルを見るのさ。)

maruta05103.jpg

 継手の位置と敷き梁に渡り顎で取り付く桁の取合いを図面で検討します。敷き梁の継手は、台持ち継ぎの簡略形で行こうということになりました。下の梁の直線的な面に合わせて、上の梁を削り合わせ、太めのダボ2本で留めることに。(一応、中央で1本、ボルトを仕込みますが。)まずはその継手をつくってから、継ぎの作業に入ります。やっぱり丸太はたいへんですね〜。   (Bチーム ナガセでした)



 





 平成の京町家伝統型モデルに用いる材はすべて京北の天然乾燥材としているのだが、床下のひのき材のほかは乾きにくい杉がほとんどである。昨年の夏ごろから森林組合にオーダーしていたので、前から取り置き乾燥してもらっていた材はまあまあ乾いているが、変更になって冬口に注文した平角材(梁材)はさすがにまだ生々しさが残る。いくぶん低温乾燥窯に入れてのんびり温めてはいるものの、そう簡単に乾かない。

すべて含水率を出しておこうと、ワカヤマチームに納入されてくる材を片端から重量とサイズを記録、含水率を算出してもらっている。軽い木材は25%あたりまで乾いているのだが、ちょっとまだだな、という材も多く、中には80%ほどのずっしりしたものも。これらは、仕方ない、刻みでも口は1〜2分(3〜5mm)ほど余裕を残して刻むことにした。これから建て方を始める夏休みにかけて、市内で乾燥させ、建て方の直前に口合わせをしようということにした。

 含水率を算出するにあたって、絶乾重量密度を0.33と仮定したが、どの杉でも同じというわけはなさそうだ。根拠となるデータが欲しいので、桁の中で白っぽく軽いものと、赤黒く重いものとの2つの木口を切り落とし、絶乾状態での重量を測定することに。


kansou05011.jpg

 オ〜サワマイスターの発案で、学校にある電子レンジで温めて乾燥させようということになった。
まず、両方の大きさと重量を測定する。

1 1205.8cm3 478g 0.396g/cm3  含水率 20%(絶乾比重0.33と仮定)
2 1548.2cm3 876g 0.565g/cm3  含水率 71%(絶乾比重0.33と仮定)

この木材を電子レンジで交替(強め2分)で温め、2分後に重量を測定する。水蒸気がもわもわと出て、一回でおよそ20〜25gの減量を見ることができた。木材1の方は5回ほどで減量値が減少、6回目で煙が出たので、ここで中止。重量は 376g だった。芯のあたりはまだ水蒸気が出ているものの、周辺部が焦げ出して、煙が出ている。内部で燃焼があるに違いない。乾燥とともに歪みも進行して、クラックも大きくなり、芯に届くまで成長していた。

木材2の方は順調に減量を続け、この日は17回の加熱で終了。555gとなった。まだ水蒸気は活発に出ており、絶乾までまだあると思われた。あまり収縮も目立たず、下の画像にあるように、クラックも入っていない。


kansou05012.jpg

 翌日2日は朝からの雨、湿気を含んだ空気に当って、木片はどうなっただろうか?重量を測定すると、

木材1  376g → 398g  +32g   (+8.5%)
木材2  555g → 575g  +20g   (+3.6%)

となっていた。木材1が絶乾状態にあったとすれば、含水率は 0% から 8.5%上昇したことになる。同様に、木材2の方は、前日の状態から3.6%上昇した。

木材2をもっと加熱して、絶乾重量を測定しようということで、さらに電子レンジで加熱を繰り返してみた。5回目の加熱時に、レンジから煙が上がったので、加熱を中断、このときの重量は540g。ほぼ中心付近から勢いよく青い煙が上がっていた。内部で燃えている様子だったので、重量測定後、水をかけて実験は終了となった。下記に結果をまとめる。

木材1 0.396 g/cm3 → 0.312 g/cm3(絶乾状態)  当初含水率 27%
木材2 0.565 g/cm3 → 0.349 g/cm3(絶乾状態)  当初含水率 62%

と含水率は補正される。この実験で杉でも絶乾密度に差があることがわかった。0.31~0.35、したがってその平均は0.33となり、当初の仮定密度と重なった。ほぼ、この数字で含水率を計算してもいいという一つの根拠を得た。

ちなみに、この最終状態で、収縮はどうだったろうか?断面寸法の比較をまとめてみた。

木材1  209*117 mm → 206*114 mm
木材2  209*119 mm → 208*113 mm 

意外に梁幅方向に収縮が大きく、梁成方向に小さい。これはほぼ、年輪の接線方向>中心方向という定式に沿ったものと見ることができたということになる。いずれにしても、これらの梁は絶乾状態まで行くことはなくても、エアコンなどが効いた室内ではかなりの乾燥状態になるので、同じくらいの収縮があると見てよいだろう。梁幅で5〜6mm、梁成方向で3〜4mmは収縮すると考えておかねばならない。

                                 (オ〜サワ&サノでした)



 木工チームのナカハタです。町家を丸ごと一棟つくれるなんて、すごいと思って頑張ってます。頑張れば上手くなるのが自分の目にも見えて来るので、嬉しくなります。木工チームは14名いて、タダ先輩が棟梁として指導してくれるほかに、組合の若手勉強会の「葭塾」(よしじゅく)の福井塾長がじきじきに指導してくれるとあって、すごく充実しています。この日も金輪継ぎのポイントを教えてもらいました。うまく入らないので、どこが悪いのか、聞いてみたところ、差金を当てて、「カネ(直角)が出ていない」とタチドコロに答えが返って来ました。なるほど、的確! ありがとうございます! 

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        4月21日土曜日夕方、福井塾長が作業場に見えて、指導していただいた


 木工Bチームのフルタニです。丸太小屋梁を担当しています。古材の丸太を削って、きれいにします。古材だからか、硬く、電気鉋でもなかなかたいへんです。3本ほど、寸法が足りないので、京北森林組合から新材の松梁を取り寄せました。こちらはタイコに製材してありますが、同じようにウリ剥きして行きます。新材は柔らかいので、削りも楽しい!                

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                4月24日丸太古材をひたすら削るBチームメンバー

 木工Aチームのオカノです。今日はタダ棟梁が試しにつくった渡り顎の納め方について、説明がありました。小屋組みで、桁を受ける梁は渡り顎という仕口になっています。今回は噛み合わせで隙間をつくりたくないということで、1.5分(4.5mm)ほどの欠き込みを設けます。ただし、まだ収縮が残っている今の段階では、しっかりはめることはしないでおこうと。

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       4月23日 渡り顎の見本を前にAチームメンバーに説明するタダ棟梁

 1年生のヒラヤマです。二年生の先輩たちが連日遅くまでがんばっている姿に引かれて、ときどき作業場を覗きに来ています。みんなカッコいいっす!今日は何でもプロ大工先生が来られるというので、1年生4人、夕方6時半に出直して来ました。オオイレアリという床梁を納める仕口の説明ということだそうです。2年生たちが細かいこと聞いているみたいですが、よくわかりませんでした。ごめんなさい!

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   4月26日 福井塾長登場。大入れ蟻の納め方のコツについて質疑応答がありました





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