和風の家並み 2グループ
洋風の家並み 1
塀の家並み 1
外側にグリーンスペース 1
内側にグリーンスペース 2
という7つのグループが結成されました。(ちなみに私は塀チームです。)
今日発表された中から、内側グリーンスペースの2チームを紹介しましょう。
チーム・セキ
1 道路側に家を建てて、内側にGS空間を設ける
2 内側GSは6軒共同のプライベート空間で、
外部から進入できない
3 4軒がGSにウッドデッキを設け、
全体で一つの大きなデッキとする
チーム・カツヒロ
1 GSには適宜、樹を植える
2 フェンスを内側には設けない
3 ウッドデッキを繋いでもよい
2チームとも、従来の常識を破る新たな近隣関係を提案しているようですが、うまく行くのかしら?
さの:すでにこうした試みが、コーポラティヴハウスという集合居住体つくりの活動には行われています。ただ、このような分譲住宅地では、例がないでしょう。それぞれのチームの人たちは、本当に、こういう仕掛けの中に住めるかどうか、どうしたら互いの負担なしに心地よい近隣関係を伴った住空間ができるか、真剣に考え、議論していって欲しいです。
他では得られない近隣関係を持てるというのは面白そうだけど、現実問題として、一戸の家の中でも、時々長期滞在するおばあちゃんと家族との間に一呼吸置くなど、お互いのプライバシーを保つ建築的な工夫をあれこれ考えているようなレベルで、家のリビングのすぐ前庭に近所の人が歩いて来れるというのは、私にはどう考えていいかわからない。部屋の配置で対応できるのかしら。でも、面白そうです。結果がどうなるか、楽しみ!(社会人出身のタロちゃんでした。)
新しく、美山から大工のカワサキさんが技術指導として面倒をみてくださることに。怖くて優しい、学生思いのカワサキさんは皆に慕われ、午後一杯週に2日の実習時間がとても楽しく、充実しています。
画像を説明します。一番上は、6mの杉丸太の桁にほぞ穴を開けているところです。僕は施工図と睨めっこばかり。もう、滅茶苦茶複雑で、一時も目を離せないです。さの先生、何で丸太でやるんですか?
さの:丸太は角材の5倍はたいへん。墨をつけるのも、穴を開けるのも、簡単ではないね。でも、できあがったものの面白さは比較にならないよ。断面はそれほど大きくなくても、丸っぽ木の性質を使えるから、強いんだ。
次の画像は桁の丸みを下で受ける小屋梁で拾う加工をしているところ。桁の基準は上端でとるけれども、元末で寸法がまるで違うし、折り置き組みで受ける小屋梁も違う。小屋梁の芯墨を水平に取らねばならないのはわかっているけれども、実際に口を合わせながら削るのは、とても難しく、根気のいる作業です。
さの:本当は渡り顎で組もうと思ったのだけれども、柱の重ほぞを大きくとってやれば、それで止まるので、単に桁の丸みを拾うだけとした方がわかりやすいだろう?
次の画像は、今日届いたつなぎ梁という材の檜丸太を洗い、磨いているところです。この後、芯墨を入れて、途中から断面を丸太から太い貫に落としてやります。鋸で寸法まで落として、チョウナではつります。チョウナがたまたま宮大工さんにいただいたものが2丁あったので、その使い方をカワサキさんに教えてもらいました。その後は突きのみで落し、鉋で仕上げます。
だんだん暑くなるし、夏休みが近づいて来ます。夏休みになれば、毎日、朝から夕方まで通して作業します。こちらでの作業が終了したら、山に行って、建て方の段取りに入ります。山では合宿だ〜! (静岡出身のラチでした!)
今日の学生スタッフは、建築科から4名、二部から2名が担当します。教職員から5名の総勢11名、たいてい説明会参加者よりも大勢になりますが、みなさん、よろしくお願いします!
まずは教室で学校の姿勢やカリキュラムについての紹介です。みんなで撮った授業風景ビデオをそのままお見せしながら、学生の目線で授業や先生を紹介、ときどき先生に補足してもらいます。
次に施設案内。といっても、なにしろ小さな学校ですから、ちょっと歩いただけで終わります。伝統建築研究科の部屋では、学生のつくった銀閣寺東求堂の構造模型を前に、校長先生から説明が。文化財保護課に勤務していた校長先生が若い頃に解体修理を担当された建物なので、ひときわ思いがこもっています。
製図室では、先輩やぼくたちの作品を見てもらいました。説明しながら、先輩や夜間の人たちの作品に感心しています。
その後、よしやまち町家校舎に移動。一回り町家を説明した後にほりごたつの席で課外活動の紹介です。上方探索倶楽部の活動、木匠塾、町家研究室の活動をそれぞれの部長に説明してもらいました。こうした課外活動にこそ、この学校の意味があるとつくづく思います。
事務から応募要項についての説明の後、スタッフと参加者さんたちと自由な歓談、いや質疑応答タイム。みなさん、遠くから来られてるんですね。熱心にあれこれ聞かれ、お答えしているうちに、あっという間に時間が過ぎてしましました。この時間をもっと大事にして、参加者の人たちと交流したいですね。
こうしている間にも、町家を見学したいという方が見えていました。午後からはTV番組制作者の方も来られます。そうそう、来週は京都セミナーに来ているアメリカの大学生たちをお茶会にお招きします。この町家校舎は地域に開かれた学校として、本校学生であるなしに関わらず、みなさんに京都の伝統の空間を経験してもらえる場所です。どうぞ気軽にお越しください。今日はみなさん、お疲れ様でした。 (青森出身のゆ~すけでした)
インフルエンザ休校のために5月のよしやまち研究会が6月9日になりました。2年のゆ~すけです。3月にさの先生と一緒に中国華南に旅行しましたが、その折りに見て来た少数民族の木造建築の構法についての勉強です。
彼らの貫構造として知られる構法は、その昔、わが国に「大仏様」の構造方式として移入されたものと類似しています。現在は少数民族の一であるトン族の「吊脚楼」と呼ばれる住宅や「風雨橋」の名で名高い廊橋、集会所である「鼓楼」の構法として見事な例を見ることができました。
2007年の建築学会に出された論文(*1)をもとに、その構造や施工方法について詳しく知ることができました。鎌倉時代に輸入された大仏様の貫の構法とは違って、楔を用いず、穴よりもわずかに大きな断面の貫を丹念に通す頑丈なつくりである。材料はコウヨウザンという杉(ネズミサシに近い)であること、建方に際しては、村人総出で揺らしながら締め込んで行くと。
研究会には旅行家ライターとして活躍されているカオリドンさんも参加。彼女はさらに奥地の貴州省のミャオ族やトン族の建築の写真をたくさん撮っているそうで、またいつか拝見したいものです。
研究会後半は今年入学した二人の台湾留学生君たちが、台湾の住宅建築について解説してくれました。中国本土で誕生発展した漢民族による四合院形式が、山がちな島国である台湾では、開かれた三合院というかたちになっており、両翼の背後に分家の住居が並んで増えて行くという例を紹介、建物の外観上の特色ある意匠について、配置とともに風水の思想が色濃く影響していることを解説してくれました。
次回6月30日は、中国人留学生のコ〜さんが中国から西方、インドまで旅行した折の写真を中心に、中央アジアの建築や人々の暮らしについて話してくれるそうで、楽しみにしております。 よろしくお願いいたします。 (青森出身のユ〜スケでした)
*1「中国トン族の杉による伝統木造建造物の研究: 第1報貫構造による鼓楼の構造と構築システム、 片岡靖夫、北守顕久、越智弘幸、豊田洋一、小松幸平:日本建築学会構造系論文集」
「建築から読み解く古都の近代----平安女学院明治館&聖アグネス教会堂にて」
案内と講演: 中川 理 京都工芸繊維大学教授
日時:7月4日(土)13:30~17:00
会場:平安女学院明治館および聖アグネス教会
(京都市上京区下立売通り烏丸西入る)
(御所の西、地下鉄烏丸線丸太町駅より徒歩2分)
参加:本校生徒および一般市民
入場:無料
申込み:京都建築専門学校までtel e-mailにてお願いします
tel:075-441-1141 e-mail:info@kyotokenchiku.ac.jp
学校から近い平安女学院大学さま、聖アグネス教会さまのご協力により、このほど修復なった明治館(明治28年)を見学させていただくことになりました。往時の感性と精神の涵養を重んじた婦女子教育が行われた美しい教室をご覧ください。保存と修復に関わられました中川理先生にご案内と解説をお願いしております。
後半は聖アグネス教会堂(明治31年)にて、ひととき、オルガンと歌の響きで教会の空間を味わっていただいた後、中川先生にこれらの近代建築が建てられた明治の京都についてお話しをうかがう予定です。なかなか得難い機会ですので、夏の暑い盛りではありますが、どうぞご友人をお誘い合わせご参加ください。
平安女学院明治館と日本聖公会京都教区聖アグネス教会
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