木工制作課題にと上京区に町家をお持ちの方から改修・修繕の相談がありました。6日の実習の時間に、皆で自転車で5分ほどのところにある町家に行って来ました。まずはどんな家なのか、どのくらい傷んでいるのか、僕たちで直せるものなのか、見なくてはわかりません。
間口2.5間、奥行き3.5間、2階建ての長屋風です。玄関を入ると、人目でずいぶん歪んでいるのがわかります。1階の奥には小さな庭があるようですが、ずいぶん暗い感じです。窓を開けて、二階に上がります。二階はまずまず明るく、いい感じでした。
手分けして、平面図を取るための実測作業に入ります。内壁の上にベニヤを張っている部分はわかりにくく、苦労しました。断面は佐野先生が取ってくれています。多田先生は傷んだ箇所の床をめくって床下の様子をみるという作業をやってくれています。実測結果を持ち帰り、CADでまとめる予定です。
写真は畳を上げて、レーザーを使ってレベルを調べているところです。
畳は比較的新しいもので、荒床は昔の板のようです。ほとんど釘打ちされていないようでした。
床板を支えている大引きが鴨居だったり丸太だったり、使いまわしがほとんどなのに驚きました。
昔の借家では、ほとんどがこのような感じの間取りと材ということのようです。
この写真で多田先生が測定している柱は小黒柱と呼ぶのだそうですが、ずいぶん細いものです。北に2mほどの柱と比べて5cm沈下しているとわかりました。南隣の柱が隣家と共通の柱なので、一緒に上げることができません。この5cm下がっている柱に合わせて他の柱を下げるというのも一つの方法ですが、あまり健全ではないそうです。
多田先生の話では、まず柱の下の石をきちんと据えなおし、それから敷居、鴨居を付け直すという方がいいのではないかということでした。直し方にもいろんな考え方があると知りました。
床組みの材自身は、思ったよりも元気な状態なんだそうです。このままこの材を使っていくかどうかは、今後検討して行きます。ただ、床下の土は湿っぽく、もっと通気を必要としていると感じました。
上の画像では床板の上に敷居が見えていますが、隙間をもって据えられているのがわかります。昔から、敷居は踏まず、跨ぐようにと言われてましたが、なるほど、踏んではいけないなとわかりました。
秋からこの町家の改修作業に取り掛かるということなので、それまでにお住まいになられる方と話をしながら改修の設計を進めて行きたいです。実際の現場でお施主さんと一緒に検討しながら進められるのがとてもいい勉強になりそうですし、楽しみです。
(木工チーム 副リーダーのタイシでした)
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