杉の120角材の桁28本の加工を終えた木工チームの次の仕事はいよいい丸太の柱の刻みである。6月7日に京北から皮がきれいに剥かれた40本の杉丸太が届いた。5〜6.5mほどの長さが
あり、昨年の管理棟に用いたひのき丸太の柱よりも2回りほど太く、末口で135mm以上を確保してもらっている。中には通りの悪いものもあるが、もともとの趣旨が、間伐材のいいものも悪いものも、適材適所で使うということで、いいものばかりを使うというのでは林業家も困るだろう。
届いた丸太を並べて、皆で「木配り」。どの丸太をどこの柱にしようかと、番付を行うのである。
木配りのポイントは、
1 正面に来る柱をきれいに揃えたい→曲がり、太さ、節など
2 建具が付く柱は真っ直ぐで、寸落ちの少ないものを
3 長いものを短いところに用いて、余分を束に回したい
4 両端の腕木を受ける下屋柱は断面欠損が大きいので、太いものにしたい
というようなことだろうか。今回の貫で縦横に繋いだ構造からすれば、特に負担の大きい柱というものはなく、3の条件からすると、端の柱に太めの材が来ることになるが、このことは4の条件に適合する。
番付が終わったら、まずは芯墨を入れる。その時に、後で間違いが少なくなるよう、柱の立つ向きを記入しておく。今回は元口に北の方向を記入してもらった。番付を南面に入れて置くなど、とにかく、向きをきちんとわかるようにしておくことがとても大事だ。
次に、不揃いの根元をきれいにカット。カットされた面に新たに芯墨を入れてもらう。北もね。
その作業の後、いよいよ、貫やらつなぎ材の来る仕口、ほぞ穴を墨付けする。墨は昨年同様、べんがらの紅墨だ。後で落せるからね。墨付けは棟梁たるタダ君の仕事だ。それを図面を片手にした監督役のガッキーがチェックして、はじめてノミを入れられるという具合だ。
ひと月も前から、毎日放課後によしやまちの作業場でこつこつヅカ・タダコンビがなにやら作業していると思えば、研修棟の構造模型をつくってくれていたことが発覚!1/10のしっかりした模型が目の前に!すごいすごい、やったね!あちこちの間違いも目に入ってくるが、まあ、そんなことは大したことではない。一つ一つ削り出して部材をこしらえてあるので、たいへんだったろう。ヅカ君、タダ君、お疲れさま。そしてありがとう。
軒回りを拡大してみる。外側の下屋柱で4mほどになるので、結構な高さがある。おそらく、実際に組み上がった実物を撮影しても、ほぼ同じ眺めになるのではないだろうか。
こうしてみると、一番下の貫(ボルトで柱の浮き上がりを留めるので、太い力貫となる)の高さが若干、高すぎるように感じる。ボルトは露出するので、管理棟と同様、束のようなもので隠してしまおうかと考えている。一番下に見えている土台は、そこに板が張られて、低い床ができることになる。休憩したり、おにぎりを食べたりしてもらうのだ。
(さのはるひと)
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