6月に入り、このところ晴天がつづいて、さすがに暑くなって来ました。平成の京町家でも衣替えということで、放課後に建具を替えに行きました。奥の間の障子を取り払うと、何だかすっきり。ここに簀戸を建てます。
簀戸が入ると、まるで見違える世界。室内は暗くなりますが、なんだかひんやりした感じになるのが不思議。それにしても不思議にきれいです。この戸は前にここに建っていた家のものだそうです。ちょっと幅が合っていませんが、言わなればわからない程度です。
建具を建てる細工の次には、すだれ掛をつくります。皆で手分けして加工作業です。時折、吹き通る風が気持ちいい!(木屑を飛ばしてしまいますが、。。)
やっと出来上がって、取付けました。これでもう西陽が暑いと言わせん。簾は明日、取付けてもらいます。
掃除も終えて、表で記念写真。一緒にやってくれたタイシ、モッチー、マツウラたち、ありがとう。おつかれさま。 (建築科2年、木工チームのガクトでした)
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再び1年の馬場です。多田さんが製作した平成の京町家普及センターに納める掘りこたつの
座卓の油拭きを手伝いました。まずていねいにサンダーを掛け、埃が鎮まるのを待ってから、
アマニ油をウエスに含ませて、刷り込ませ、馴染ませて行きます。見る見る、栃の木目が
浮いてきて、とてもきれいです。
この天板は、敷地に元あった町家の床の間の板だそうです。大きな栃の板で、きれいな木目
模様が入っています。ちょっと長さが足りなかった分、欅で補い、脚も同じ欅でつくったそう
です。
あまりツヤツヤさせるのもどうかということで、半艶というほどで拭き上げています。
翌日、平成の京町家に運びました。もう夕方で、夕陽が当っていました。
多田さんが動かないように、框にへこみを彫って、掘りごたつが座りました。普通なら、部屋の
中央に、部屋の向きに納まりそうに思いますが、逆に直角になっています。サノ先生の話では、
手前のキッチンに対して直角に合わせていて、地袋のTVをみんなで見られるようにしてある
という説明でした。
ずっと納まる作業を見ておられた京都市と住宅供給公社のお二人が、さっそく出来上がった
ばかりの掘りコタツに座られました。
「いい感じです」
ありがとうございます。これからはここで座っていただいてのんびりしてもらえますね。
これからは、もう暖かくなって、火鉢も合わなくなるでしょうから、ここでお茶を点てま
しょう。 (お茶部根性を忘れない馬場でした)
玄関に付ける昔からよくあるシンプルなガラス球の照明器具を捜しましたが、意外にありません。
結局、いつもお願いするタチバナ商会さんにお世話になりました。アンチーク照明は、やはり
ここですね。ありがとうございました。
(今回は新しいものでやってやろうと思っていたのですが、。。残念。)
庭では内藤さんたちが一生懸命、苔や細かな植栽を施しています。すごいすごい、どんどん苔が張られていきます。杉苔と地苔(砂苔など)を張り分けて行きます。その内、自然な感じに納まっていくのでしょうね。
苔を張るだけで、庭がぐっと深まって行きます。苔の力ってすごい。
2階では、関さんが模型をつくってくれています。前の2011年版の模型と並べて、2012年版の実施案の模型です。見事な出来映えに拍手!二つの模型は常設展示される予定ですので、いつでもご覧いただけます。
床の間の前でうんうん玲奈さんが生花を眺めています。明日のオープンを飾るお花です。うまく活けられたかな?
いい感じです。あまりつくらず、自然な感じ。この建物には合っているような気がしました。
こちらは摩彌さんが明日の完成記念茶会の指導をしてくれています。記念式典の前の朝一番に、市長、議長をお招きしての茶会です。学生棟梁の中西君が茶席の亭主もつとめ、お運びなど、お茶部総勢で頑張ってもらいます。
一緒に頑張ってくれた仲間たちと一緒に竣工を祝い、記念写真を撮りました。みなさん、本当にご協力ありがとうございました。心からお礼申し上げます。
さのはるひと
18日の竣工検査を目前に、最後の詰めに入って来ました。
この日は屋根屋さんたち瓦組合の青年部のみなさんが一気に塀の瓦を仕上げて
くださいました。
通常は角の塀瓦(目板付き)は垂れ付きをよく使うのですが、今回は垂れ無しのものをやってみました。
やってくれた青年部の方々も初めて使ってみたと。手間は同じくらいかかりますが、軽い線が出て、
意外にいいものだな〜と、好評でした。
最後に表で記念写真です。みなさん、ありがとうございました。これからもよろしく!
建具も急ピッチで建て込み作業が行われています。木製建具はおおよその寸法でできてはいますが、
一枚一枚、わずかな狂いを直して行きます。プロの仕事ですね。
表の格子も納められて行きます。今回の格子は、すべて無双と云う滑り板が仕込まれていて、開閉できる仕掛けになっています。ちょっと幅広で、無骨になるのですが、そんな格子もありかと、やってみました。
2階の置き床を納めてもらいました。家具としてつくって単に入れるだけなら、どうということはないのですが、隣の障子組が内部に出っ張っているために、狭い内部で組み立てねばならず、かなり手の込んだ仕事になってしまいました。苦労して納めてもらったところです。
この置き床は、床の間というよりは、ベンチに近いもので、どちらかな?と思うところが面白いでしょ。
1階座敷の押入襖は、京唐紙(きょうからかみ)という模様の入った和紙を張っています。今回は浅葱色の紙に銀キラ(雲母)で刷った「切り箔」の桐模様です。あまり目立たないものにしていますが、こうしてじんわりと模様が浮かび上がってくるところを眺めてもらいます。隣の六畳の地袋にはめられた小襖にも唐紙が納められています。こちらは「観世水」。よほど注意しないと見えて来ません。
2階の照明もすべてつきました。柔らかな光の具合がまあまあと思っています。たくさんぶら下げられるようにつくってありますので、いつか、学生たちで思い思いの照明器具をこしらえて、灯り展をやりたいですね。
さのはるひと
だんだんオープンまでの日がなくなってきました。その前に竣工検査もあります。
造園を担当してくれている内藤さんたちが、サビ色の砂利を捜して来てくれました。
建物の周囲に敷き、シャワーして洗ってやると、おお、いいね〜。嬉しくなって
きます。
これは3月12日、畳をお願いしておりました畳組合さんたちが出来上がった畳を持って来て
くださいました。全部で14枚の畳がありますが、それを14人の訓練生さんたちで手分けして
つくってくれたそうです。上手く合うかな?
ちょっときついものもありましたが、何とか納まりました。でも、ちょっと手を入れたいと、
1、2枚を引き上げて、数時間の後に仕上げて持ってきてくれました。青いきれいな表が
いい香りをぷんぷん匂わせています。縁は金栗という色でお願いしました。二階の置き床に
納める1枚だけ、特殊なもので、これは紋縁でお願いしています。
畳が納まった1階座敷の写真です。急に座敷が完成したように思えて来ます。
畳組合のみなさま、ありがとうございました。後は建具ですね。
3月14日、照明が入りました。夕方も遅く、暗くなって、照明を点けてみると、おお、
いいじゃない。床の間の前で皆、見とれております。これは壁がいいんでしょうね。
北山杉の床かまちの表情もなかなかです。こうして、ここだけ照明を点けて、壁だけを
見るなんて、日常生活では無いかもしれませんが、たまにはこうしてぼ〜っと眺めて
ぼんやり考えごとしている時間もあってもいいなと思いました。
晩になり、そろそろ仕舞いの時間になりました。学生たちが多田棟梁の回りに集まって、何やら話して
います。そうだ、明日は卒業式なんだ。学生でいられるのも今日が最後です。みんな、よく頑張って
くれたよ、と多田棟梁。これから就職して仕事すれば、必ず、完成を迎える瞬間がある。こういう達成感
を味わえる。建築の仕事って、いいもんだよ。
いい仲間たちです。みんなありがとう。
さのはるひと
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