夜間部の建築材料の授業で、コンクリートピースを作成し、圧縮試験を行いました。たまたまの手違いがもとで、よいコンクリートと悪いコンクリートを比較することになってしまいました。古い、いわゆる「風邪を引いた」セメントを用いると、どうなるか?練り混ぜてみれば、一目瞭然、うまく水が混ざらず、スランプ値は15cmですが、ひどい格好となっています。中央が悪いコンクリート、右がいいコンクリートです。
実験風景です。この手のコンクリートは破壊の際に破片が飛び散らないので、もっと近くで観察して欲しいよ~。試験機は年代物で細かなデータは取れませんが、何とか耐力は測定できました。
破壊の様子です。左が悪いコンクリート、右がよいコンクリート。悪いコンクリートは目標の37t(210kg/cm2)に対して、12t(70kg/cm2)ほどで破壊。1/3ほどの強度しか出ていません。よいコンクリートの方は42tぐらいで、まずまずですね。壊れたピースを見ても、悪い左側では、骨材がコンクリートに付着していないことがわかります。よい右側の耐えかねて壊れた風情に比べても、あっさり壊れている様子が見て取れますね。
セメントは、およそ1ヶ月前に実験で使って残っていたものでした。それだけで、強度は1/3しか出ません。これはおよそ長期許容応力度に相当します。こんなコンクリートでつくられた建物は、大きな地震もなく、ちょっとしたことで崩壊する可能性があるということになります。ひょっとすると中国で墜ちた橋にもそんな原因があるのかもしれませんね。 きちんと賞味期限を守りましょう。 (さのはるひと)
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