今年の雪で壊れてしまった京北小塩の家の庇をこの夏の木匠塾できちんと作り直そうと、1年生の木工実習授業で木材の刻み仕事を始めています。土台、柱、梁、桁からなる骨組みを伝統的な仕口継ぎ手で組み立てます。木工実習では、これまでに一通りの練習をして来ており、ここからは応用実技編となります。暑い中、棟梁の厳しさも一段とトーンが上がって、皆、頑張って励んでくれました。
この22日は夏休み前の最後の授業とあって、やりかけの梁の刻みを終えるまで時間を延長して作業しました。室温は38度にもなり、もうたいへん。扇風機で熱風を浴びながらの作業となりました。みなさん、お疲れさま!この後、一息ついて、1年生たちは夏休み前のコンパに出掛けて行きました。次は小塩で続きの作業をやるんだよ。
(さのはるひと)
6時になると照明が点くようになっているらしく、ボクは早く帰るので、見たことナイんですが、なかなかキレイって話です。デ、何で蓋するのかワケわからないんですが、さの先生によると、何でもコウゲンがどうたらこうたら、とにかくマブシイらしい。
表の歩道側の狭いところからの作業で、やりにくいったらありゃしない。
おーたいへん。ジュン、しっかり梯子押さえてろって。
で、先生、なにこれ?せっかくの作業中の姿が写ってないじゃん。エ?撮り直す?裏側に回れってさ、ジュン、行くぞ。
裏からなんて留められないよ。何でアサミがスーツ着てメットかぶってんだ?監督だって?さの先生、勘弁してくれよ。ナニ?学校案内の表紙の写真を撮る?それを早く言ってくれって。俺もスーツ着てきたのによ。この間の成人式にあつらえたもんがあるってのに。おいおい、何でジュンが前で俺が後ろなんだ?
さの:コーダイ、何ぶつくさ言ってる?横顔のシルエットが欲しいんだよ。
わかってるって。こうだろ?決まったか?何、ミウラさん笑ってるんだい?アサミ、笑い転げてちゃ、写真にならんだろ、真面目にやれって。
今年の学校案内の表紙に期待してください。(さの)
まずは道具の使い方を教えます。差し金、墨壷、墨差しを覚え、のみのかづら直し、裏押し、研ぎを経験した後、さっそく、一人づつが80cmの材に継ぎ手、仕口をつくって行きます。この日は渡り顎をやってみました。2人づつペアで雄雌をつくって合わせて行きます。最初から上手くはできませんが、こつを一つづつ教えてやれば、何とか出来ていくものです。何にしても、墨をきちんと付けるということが一番大事ということがわかってくれれば嬉しいです。
次に、つけた墨をきちんと残して鋸を使うということ。決して先を急がず、丁寧に寸法通り心をこめてつくってやる気持ちが肝心。毎日のように放課後にやって来て練習する子も。上達には納得が行くまで繰り返すことが何よりも大事です。まあ、楽しんで学んでください。(さの)
建築科1年の前期課題も最終日、みなそれぞれの図面と模型を携えてやって来ました。元気な子もいれば、眠そうな子、製図室の隅で必死に模型をつくっている子も。例年、大学卒の作品を取り上げてきましたが、今年は半年前まで高校生だった若い生徒の作品を紹介しましょう。
祖母の部屋でもある和室には円形の窓を。そこから望む風景はまた違う楽しみとなるはず。居間中心の暮らしは自然に家族間のつながりを保ち、一緒に暮らす家族の仲はいっそう深まっていくことでしょう。
建築科1年 岩見麻未
模型もまずまず念入りにつくられていますね。石垣を生かしたゆったりとしたアプローチ階段がいい感じですが、もう少し玄関前に余裕が欲しいな。
道路側の立面図
二階の屋根が一部下に伸びてくるところを違和感なく見せるのはなかなか難しいです。とくに屋根の表情に欠けるスレート屋根では、べったり伸びてくるので、気持ちが悪い。切妻屋根ならまだ処理がし易いのですが。みなさん工夫してみてください。屋根を切るかつなぐか、僕もときどき悩みます。
小屋伏せ図です。
例年、皆さんに構造図として、床伏せ図と小屋伏せ図、軸組図を描いてもらっています。骨組みを理解しないと、意匠的にもふにゃふにゃの家になるものです。現場経験なしに構造や納まりを理解するのは困難というよりも、不可能でしょう。でも、こうしてわからないまでも、苦労して一度図面に描いてみなくては、現場でも見えて来ません。建築は何年やっても、わかるということはないものです。いつまでたっても、試行錯誤なのですから、その都度、頑張って追いかけて行くしかないものです。
断面詳細図です。まずまずきちんと描けていますね。勉強熱心で感心しています。
この吹き抜け空間の真ん中に通る橋がデザインの要になります。室内を白い漆喰塗りの大壁にして、その中に素木の木組みの橋が渡れば、絵になりますね。岩見さんは天井まで漆喰塗りとしていますが、さらりと素木のテクスチュウアで浮かす方法もありますので、検討下さい。
この調子で貪欲に上を目指しましょう。他のみなさんも負けずに頑張ってね。
(さのはるひと)
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