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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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  正月二日、われらが木村棟梁からの招待をいただき、太秦の広隆寺に出かけた。棟梁が会長をつとめる「番匠保存会」の仕事始めの儀式「釿始の儀」を見物する。説明では、今では廃れてしまった番匠(大工)の儀式は、かつては特定の番匠家で行なわれていたのであるが、近年保存会を組織し、番匠の儀式を復活させるに当って、建築の祖とされる聖徳太子にゆかりの広隆寺で行なわれることになった。昭和56年から年中行事として執り行われているそうだ。

chouna1.JPG

 あいにく小雨がぱらつく天気であったが、もとより雪でもおかしくない時候である。古式装束を纏った一行の後に、番匠保存会の銘が入った法被の一行が太い材木を担いで行列をなしている。雅楽が奏され、「ゆりもち」音頭が唱される。やがて、堂前に御木を据え、一同、神前に礼。(仏前に神棚があるんです!)手前の脇に飾り道具が置かれている。聞くところによると、この道具は京都御所出入りの棟梁家であった三上校長の家にあるものを模写したものだそうだ。

chouna2.JPG

 その道具から、墨壷、墨差、曲尺(さしがね)が脇司によって運ばれ、御木に置かれる。二人の番匠がこれで墨を打つ。三度ずつ繰り返される。(「墨矩の儀」「墨打の儀」)これは材の捩れを測るものとされる。続いて、一の棟梁が釿(ちょうな)を打つ。

chouna3.JPG

 「釿打の儀」は、格好だけでなく、本当に材に釿が打ち降ろされるので、ガツッと音がする。これも元、中、末、と3カ所を3つずつ打つ。次に、鑓鉋(やりがんな)が運ばれ、番匠が削る。(「清鉋の儀」)これで作業は終了。大工たちによる「木遣り音頭」の奉納となる。これまで度々聞いて馴染みのある曲が次々と唱され、すべての儀式は終了である。

chouna4.JPG

 やれ、めでたしめでたし。最後に法被姿の木村棟梁が聴衆に向かって挨拶。供え物の餅が配られ、見物衆も大いに喜んだ。寒中、たいして暖かそうでもない装束でじっとしていた出演者の皆さん、たいへんご苦労さまでした。おかげで素晴らしい正月を迎えることができました。こういう儀式は、気も身も引き締まっていいものですね。さすが、京都だな、と感銘を受けて帰って来ました。また来年、参りたく思います。ありがとうございました。  (さのはるひと)



 
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