こちらは西陣にある長屋の改修現場です。たくさんの家具や不要な荷物を片付け、処分して、やっと部屋が見えて来たところで、実測調査をします。かなりゆがみが出ていて、たいへんな工事が予想されました。
床下を見れば、束や柱の根元が沈下して土の中にもぐっているところも。当然、腐朽が進んでいて、このままでは使えません。1間の距離で2寸以上ものレベル差がある箇所も。どうやって直そうか?
11月も半ば頃になって、外に張り出したトイレを解体し、床をすべてめくり、ぼろぼろな壁もめくって、骨組みだけの状態になっています。あまり程度のよくない長屋に見られる細い大黒柱。上部の小屋裏まで届く大きな土壁の重みに耐えかねて悲鳴をあげています。こんな状況でジャッキアップはとても危険。
床をつくろうとしていた学生たちを止めて、先に周囲の柱を安定させようと。まずは柱をつなぐ根がらみを仕込みます。長屋だけに、隣家との境の壁がかなり沈下しており、不朽もひどいものです。半柱がゆがんで面外に座屈、とても危険な状態。幸い、隣家は現在空き屋なので、大屋さんと話して、ちゃんと直そうということに。
隅の通し柱も根元がなく、ぶら下がっている状態でした。写真は根継ぎを行っているところ。壁もほとんど解けてしまっています。土台がほとんど腐っていて、柱で押しつぶされています。こんな土台は無い方がマシですね。すべて除去し、根がらみ材に変えていきます。
町家や民家の改修工事のもっとも手間がかかり、たいへんなのが、こうした床下の健全化の作業です。この作業と設備の配管がちゃんとできれば、後はつくっていくだけなので、楽しい作業になるはず。みんな、地道な作業だけど、頑張れ!
(さの)
床下を見れば、束や柱の根元が沈下して土の中にもぐっているところも。当然、腐朽が進んでいて、このままでは使えません。1間の距離で2寸以上ものレベル差がある箇所も。どうやって直そうか?
11月も半ば頃になって、外に張り出したトイレを解体し、床をすべてめくり、ぼろぼろな壁もめくって、骨組みだけの状態になっています。あまり程度のよくない長屋に見られる細い大黒柱。上部の小屋裏まで届く大きな土壁の重みに耐えかねて悲鳴をあげています。こんな状況でジャッキアップはとても危険。
床をつくろうとしていた学生たちを止めて、先に周囲の柱を安定させようと。まずは柱をつなぐ根がらみを仕込みます。長屋だけに、隣家との境の壁がかなり沈下しており、不朽もひどいものです。半柱がゆがんで面外に座屈、とても危険な状態。幸い、隣家は現在空き屋なので、大屋さんと話して、ちゃんと直そうということに。
隅の通し柱も根元がなく、ぶら下がっている状態でした。写真は根継ぎを行っているところ。壁もほとんど解けてしまっています。土台がほとんど腐っていて、柱で押しつぶされています。こんな土台は無い方がマシですね。すべて除去し、根がらみ材に変えていきます。
町家や民家の改修工事のもっとも手間がかかり、たいへんなのが、こうした床下の健全化の作業です。この作業と設備の配管がちゃんとできれば、後はつくっていくだけなので、楽しい作業になるはず。みんな、地道な作業だけど、頑張れ!
(さの)
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中京区夷川通りの町家をカフェに改修するというプロジェクトの工事を紹介します。
10月から不要な部分や傷んだ箇所を解体撤去する作業をしながら、補強方法を考えていました。11月から本格的に沈下した柱を揚げる作業や、傷んだ柱の足元を根継ぎする作業を始め、これは中旬頃の写真です。既存の框を別のところに移して、補強のために入れた新しい柱に仕込みます。
こちらは大黒柱と反対側に補強で入れた柱とを根がらみ材で結ぶ作業です。4寸角のひのき材をわなぎ留め、ボルトで締め付けます。その前に、柱の前の仕口の穴を埋め木してふさいでから、あらたに穴を掘って仕込むので、手間がかかります。
根がらみを3つの構面で補い、新たに設けた3枚の耐震壁をつなぐことができました。壁に貫を仕込み、えつり竹を入れて、小舞竹を編んで土塗り壁の下地ができあがり。早く荒壁を塗りたいのですが、その前に、ここに取り付くコンセントと電気配線を電気屋さんに仕事してもらうことになります。その間に、次の大引きを据える準備として、束石を据え、ボルトで引くアンカーをこしらえます。
(さの)
10月から不要な部分や傷んだ箇所を解体撤去する作業をしながら、補強方法を考えていました。11月から本格的に沈下した柱を揚げる作業や、傷んだ柱の足元を根継ぎする作業を始め、これは中旬頃の写真です。既存の框を別のところに移して、補強のために入れた新しい柱に仕込みます。
こちらは大黒柱と反対側に補強で入れた柱とを根がらみ材で結ぶ作業です。4寸角のひのき材をわなぎ留め、ボルトで締め付けます。その前に、柱の前の仕口の穴を埋め木してふさいでから、あらたに穴を掘って仕込むので、手間がかかります。
根がらみを3つの構面で補い、新たに設けた3枚の耐震壁をつなぐことができました。壁に貫を仕込み、えつり竹を入れて、小舞竹を編んで土塗り壁の下地ができあがり。早く荒壁を塗りたいのですが、その前に、ここに取り付くコンセントと電気配線を電気屋さんに仕事してもらうことになります。その間に、次の大引きを据える準備として、束石を据え、ボルトで引くアンカーをこしらえます。
(さの)
今年の木工コースのワーキングは西陣の長屋改修と中京区の町家カフェ改修。どちらも学校からほど近く、ありがたい。10人の学生を半分に分け、授業のある月木曜日にこつこつ作業しています。技術指導は多田先生。監修はさのが行っています。
お施主さんの町家で昼食をいただいています
10月31日、ここまで解体作業を行ってきたカフェで、施主さんと応援団合同のミーティングを行いました。解体実測で見えてきた補強やカフェとしてのしつらえなど、皆で意見を出し合い、方針を固めます。
改修現場に集合、意見交換会を行いました
こんな意見が出ておりました
*自然の健康な野菜をメインにした家庭的な料理を出したい
*各地の生産農家さんとまちの人とをつなぎたい
*地域密着で、近所の人が気楽に立ち寄れるカフェ・食堂がいい
*夜はお酒も出したい
*ときどき、そば打ちや料理教室のようなイベントを組みたい
*イベントコーナーを通り庭に。おくどさん、流しをこしらえる
*普段は野菜の販売や情報コーナーに
お昼のテーブルで見つけた小田まゆみさんの絵 これ、いいね。
小田まゆみさんは、長年ハワイで創作活動のかたわら、有機栽培の農場を経営、大地のめぐみによるいのちの大切さを説いて来られました。震災と原発事故を機に、日本で活動を精力的になされておられます。
小田まゆみさんが登場。一緒に記念写真です
お店のテーマについて皆で話をしていたところへちょうど小田まゆみさんが現れ、一同おどろき。一緒にがんばろう!先生に元気をもらいました。お店の名前にもヒントをいただきました。ありがとうございました。
(さの)
お施主さんの町家で昼食をいただいています
10月31日、ここまで解体作業を行ってきたカフェで、施主さんと応援団合同のミーティングを行いました。解体実測で見えてきた補強やカフェとしてのしつらえなど、皆で意見を出し合い、方針を固めます。
改修現場に集合、意見交換会を行いました
こんな意見が出ておりました
*自然の健康な野菜をメインにした家庭的な料理を出したい
*各地の生産農家さんとまちの人とをつなぎたい
*地域密着で、近所の人が気楽に立ち寄れるカフェ・食堂がいい
*夜はお酒も出したい
*ときどき、そば打ちや料理教室のようなイベントを組みたい
*イベントコーナーを通り庭に。おくどさん、流しをこしらえる
*普段は野菜の販売や情報コーナーに
お昼のテーブルで見つけた小田まゆみさんの絵 これ、いいね。
小田まゆみさんは、長年ハワイで創作活動のかたわら、有機栽培の農場を経営、大地のめぐみによるいのちの大切さを説いて来られました。震災と原発事故を機に、日本で活動を精力的になされておられます。
小田まゆみさんが登場。一緒に記念写真です
お店のテーマについて皆で話をしていたところへちょうど小田まゆみさんが現れ、一同おどろき。一緒にがんばろう!先生に元気をもらいました。お店の名前にもヒントをいただきました。ありがとうございました。
(さの)
2年木工チームのタイシです。この日は木工作業を早めに切り上げて、もうひとつの町家を実測します。場所は学校から自転車で5分もかからない近所です。角地の、見たところ、それほどひどく傷んでいないといった感じの可愛らしい町家で、聞けば、もとは4軒並ぶ長屋だったそうです。ほかの3軒は新しい今風の家に新築されていました。できれば、ここを住居兼カフェにしたいとのこと、どんなカフェになるんだろうと、わくわくしながら、中に入りました。
間口2.5間、奥行き1.5+1.5+2で5間に庭と便所があります。庭には簡易浴室が置かれています。(これは撤去だな、。。。)1間幅のゆったりとした通り庭が印象的です。2班に分けて、実測開始。僕たちは2階を担当しました。狭いながら、雰囲気のある部屋で、風通しもよく、皆でここに住みたいねと話していました。
写真は表の虫籠窓を計っているところです。軒が傷んでいて、雨樋が外れて、雨が漏り、通り庇に至るまで傷みが及んでいます。ここは治してあげなくては。
実測調査が一段落したあたりで、お茶をいただきながら、お施主さんと一緒に、どんなカフェにしたらいいんだろうと話し合いました。カフェで働いている1年生のオクムラ君は、自身の経験をもとに、ゆったりとした通り庭をそのままキッチンにしてしまうのはもったいないので、椅子席にしてはどうかなど、カフェのイメージについて具体的な提案をしてくれました。サノ先生やお施主さんの意見は、まちに開かれた「まちカフェ」にしたいと。自然態で長続きするカフェには、やはり中心となる主人の「人となり」が重要で、人が集まり足を運んでくれる期待感をどうやって生み出せるか、僕たちが建築的にできることは何か、とても興味深いプロジェクトになりそうです。
(タイシでした)
木工制作課題にと上京区に町家をお持ちの方から改修・修繕の相談がありました。6日の実習の時間に、皆で自転車で5分ほどのところにある町家に行って来ました。まずはどんな家なのか、どのくらい傷んでいるのか、僕たちで直せるものなのか、見なくてはわかりません。
間口2.5間、奥行き3.5間、2階建ての長屋風です。玄関を入ると、人目でずいぶん歪んでいるのがわかります。1階の奥には小さな庭があるようですが、ずいぶん暗い感じです。窓を開けて、二階に上がります。二階はまずまず明るく、いい感じでした。
手分けして、平面図を取るための実測作業に入ります。内壁の上にベニヤを張っている部分はわかりにくく、苦労しました。断面は佐野先生が取ってくれています。多田先生は傷んだ箇所の床をめくって床下の様子をみるという作業をやってくれています。実測結果を持ち帰り、CADでまとめる予定です。
写真は畳を上げて、レーザーを使ってレベルを調べているところです。
畳は比較的新しいもので、荒床は昔の板のようです。ほとんど釘打ちされていないようでした。
床板を支えている大引きが鴨居だったり丸太だったり、使いまわしがほとんどなのに驚きました。
昔の借家では、ほとんどがこのような感じの間取りと材ということのようです。
この写真で多田先生が測定している柱は小黒柱と呼ぶのだそうですが、ずいぶん細いものです。北に2mほどの柱と比べて5cm沈下しているとわかりました。南隣の柱が隣家と共通の柱なので、一緒に上げることができません。この5cm下がっている柱に合わせて他の柱を下げるというのも一つの方法ですが、あまり健全ではないそうです。
多田先生の話では、まず柱の下の石をきちんと据えなおし、それから敷居、鴨居を付け直すという方がいいのではないかということでした。直し方にもいろんな考え方があると知りました。
床組みの材自身は、思ったよりも元気な状態なんだそうです。このままこの材を使っていくかどうかは、今後検討して行きます。ただ、床下の土は湿っぽく、もっと通気を必要としていると感じました。
上の画像では床板の上に敷居が見えていますが、隙間をもって据えられているのがわかります。昔から、敷居は踏まず、跨ぐようにと言われてましたが、なるほど、踏んではいけないなとわかりました。
秋からこの町家の改修作業に取り掛かるということなので、それまでにお住まいになられる方と話をしながら改修の設計を進めて行きたいです。実際の現場でお施主さんと一緒に検討しながら進められるのがとてもいい勉強になりそうですし、楽しみです。
(木工チーム 副リーダーのタイシでした)
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