10月24日水曜日、午後に学校からそう遠くない公共施設「京都アスニー」の研修室にて、建築概論授業で行うグループ発表会を行いました。建築科2年生の5つのグループと、1年生から特別参加の1チームです。
No.1 「夏期における町家の温熱環境測定」(大澤チーム)
「家のつくりやうは夏をむねとすへし」という伝統の町家として、よしやまち校舎の温熱環境を測定し、夏に涼しいと言われる要因を分析した。お盆の暑い頃に町家校舎の床下、通り庭、1階座敷、縁側、2階座敷、小屋裏、そして外気にて気温と湿度の測定を実施、1週間の連続データを採取した。データから、読み取れたことは、土壁に囲まれた通り庭が気温も上がらず、湿度もほぼ一定に保たれ、居心地よい環境であるのに対し、二階や小屋裏は晩まで熱がこもって不快な環境となっていることである。今回の実験では締め切りの状態だったので、なおさらそのような結果となった。
比較のために行った別の家では、屋根を2層の空気層と3層の杉板で遮熱がうまく行っていたことから、通気層や風通しの重要性がデータからも言える。現在、工事中の平成京町家のデータを来年の夏に採取して比較したい。 (大澤、中西、玉田)
No.2 「地域の木材の利用と保全」(若山チーム)
京都市の川上になる京北の木材や林業がどのような状況になっているか、近年開校した京都府林業大学校でヒヤリングをおこなった。また、建築に携わる自分たちにできる地域材の保全のためのアクションとして、林業地で行われている啓蒙イベントに参加した。もっと若い人たちに関心をもってもらうことの重要性を感じた。 (若山、石原、古谷、濱口、森田ゆ)
No.3 「平成の京町家の継手・仕口」(長瀬チーム)
平成の京町家伝統型モデルハウスの建設経験から、そこで用いられている追掛大栓継、落蟻、兜蟻、雇いほぞ差し車知栓留め(三方/四方差し)、貫などの継手、仕口の加工、組立の方法や問題点、よくするために気づいた工夫について報告した。 (長瀬、森田た、小栗、大下、中畠、田村、岡野)
No.4 「町家の庭」(岡チーム)
町家の庭の特徴、つくりについて調べた。庭は、室内でできないことを行う場であると総括できる。町家には、「前庭」「通り庭」「坪庭」があり、それぞれに特徴的なしつらえがある。とりわけ、飛び石や灯籠、手水鉢など、茶室の露地のしつらえが写されていて、その後の町家の庭の様式となっている。
会場から、通り庭は室内ではないか?という質問が出たが、外部的な空間としてとらえることもできると考えられ、屋根が架けられた庭として、内外の中間領域が同時にあるところが、町家の面白さでもあると。 (岡、中村、木村、河野、小川)
No.5 「40年後の都市<都市のコア>」(日下部・京都建築スクールチーム)
京都の大学、院生間でおこなっている建築と都市のルールを基にしたデザインを設計提案する共同学習の場(京都建築スクール2012)の成果を報告。京都の「田の字型地区」に見られる街区の姿には、人々の交流・通商の場であった「オモテ」も、生活空間であった「ウラ」も、車に占有されて、昔のような活き活きとした場になっていない。街路に面しては交通の空間として、街区の内部に広場を設け、かつての「オモテ」をそこにつくりなおす。建物は屋上を「ウラ」空間としてつかえるように提案する。街区によって、様々な内部広場(都市のコア)をつくることができ、人々はそこに抜ける路地を通り抜けることで、新たな楽しい都市の姿を創成できる。 (日下部、六車、呉田)
No.6 「茅葺きの体験を通して」(1年平山・木匠塾チーム)
京北大野町でのNPO鉾杉塾の協力として今年の夏の木匠塾でおこなった茅葺き小屋の建設で得た体験を報告。茅葺き屋根のつくりかた、特に基本となる技術としての「男結び」を実演を交えて紹介。体験を通して、鉾杉塾のメンバーや若き茅葺き職人、茅葺き活動家たちとの交流によって、建築行為の可能性に気づいた。 (平山、竹之下、景山、平井)
以上、6チームの発表を、全員で採点、評価。2年担任の菅原先生、福田校長から感想やコメントをいただいた。とくにこの日の発表でもっとも好ましかったチームとして、No.6 の茅葺き1年生チームが選ばれ、グランプリを獲得した。 みなさん、よく頑張ってくれました。お疲れさま。 (さの)
No.1 「夏期における町家の温熱環境測定」(大澤チーム)
「家のつくりやうは夏をむねとすへし」という伝統の町家として、よしやまち校舎の温熱環境を測定し、夏に涼しいと言われる要因を分析した。お盆の暑い頃に町家校舎の床下、通り庭、1階座敷、縁側、2階座敷、小屋裏、そして外気にて気温と湿度の測定を実施、1週間の連続データを採取した。データから、読み取れたことは、土壁に囲まれた通り庭が気温も上がらず、湿度もほぼ一定に保たれ、居心地よい環境であるのに対し、二階や小屋裏は晩まで熱がこもって不快な環境となっていることである。今回の実験では締め切りの状態だったので、なおさらそのような結果となった。
比較のために行った別の家では、屋根を2層の空気層と3層の杉板で遮熱がうまく行っていたことから、通気層や風通しの重要性がデータからも言える。現在、工事中の平成京町家のデータを来年の夏に採取して比較したい。 (大澤、中西、玉田)
No.2 「地域の木材の利用と保全」(若山チーム)
京都市の川上になる京北の木材や林業がどのような状況になっているか、近年開校した京都府林業大学校でヒヤリングをおこなった。また、建築に携わる自分たちにできる地域材の保全のためのアクションとして、林業地で行われている啓蒙イベントに参加した。もっと若い人たちに関心をもってもらうことの重要性を感じた。 (若山、石原、古谷、濱口、森田ゆ)
No.3 「平成の京町家の継手・仕口」(長瀬チーム)
平成の京町家伝統型モデルハウスの建設経験から、そこで用いられている追掛大栓継、落蟻、兜蟻、雇いほぞ差し車知栓留め(三方/四方差し)、貫などの継手、仕口の加工、組立の方法や問題点、よくするために気づいた工夫について報告した。 (長瀬、森田た、小栗、大下、中畠、田村、岡野)
No.4 「町家の庭」(岡チーム)
町家の庭の特徴、つくりについて調べた。庭は、室内でできないことを行う場であると総括できる。町家には、「前庭」「通り庭」「坪庭」があり、それぞれに特徴的なしつらえがある。とりわけ、飛び石や灯籠、手水鉢など、茶室の露地のしつらえが写されていて、その後の町家の庭の様式となっている。
会場から、通り庭は室内ではないか?という質問が出たが、外部的な空間としてとらえることもできると考えられ、屋根が架けられた庭として、内外の中間領域が同時にあるところが、町家の面白さでもあると。 (岡、中村、木村、河野、小川)
No.5 「40年後の都市<都市のコア>」(日下部・京都建築スクールチーム)
京都の大学、院生間でおこなっている建築と都市のルールを基にしたデザインを設計提案する共同学習の場(京都建築スクール2012)の成果を報告。京都の「田の字型地区」に見られる街区の姿には、人々の交流・通商の場であった「オモテ」も、生活空間であった「ウラ」も、車に占有されて、昔のような活き活きとした場になっていない。街路に面しては交通の空間として、街区の内部に広場を設け、かつての「オモテ」をそこにつくりなおす。建物は屋上を「ウラ」空間としてつかえるように提案する。街区によって、様々な内部広場(都市のコア)をつくることができ、人々はそこに抜ける路地を通り抜けることで、新たな楽しい都市の姿を創成できる。 (日下部、六車、呉田)
No.6 「茅葺きの体験を通して」(1年平山・木匠塾チーム)
京北大野町でのNPO鉾杉塾の協力として今年の夏の木匠塾でおこなった茅葺き小屋の建設で得た体験を報告。茅葺き屋根のつくりかた、特に基本となる技術としての「男結び」を実演を交えて紹介。体験を通して、鉾杉塾のメンバーや若き茅葺き職人、茅葺き活動家たちとの交流によって、建築行為の可能性に気づいた。 (平山、竹之下、景山、平井)
以上、6チームの発表を、全員で採点、評価。2年担任の菅原先生、福田校長から感想やコメントをいただいた。とくにこの日の発表でもっとも好ましかったチームとして、No.6 の茅葺き1年生チームが選ばれ、グランプリを獲得した。 みなさん、よく頑張ってくれました。お疲れさま。 (さの)
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