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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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 建築科2年の授業で町家や民家などの伝統的な木造住宅の構造を学んでいますが、後期には、それを受けて真壁の水平荷重に対する耐力を実験する予定です。その前に、一昨年来、実験を行なっている竹小舞既製品(バンブーネット:愛知/福 島製作所製)を二重に張るダブルバンブーネット土壁の実験を行いました。

WBN09172.jpg

 昨年の実験では、貫を挟んで二重にバンブーネットを張ったものに、荒壁土を塗り込んだ のですが、十分に土を充填できず、思った様な耐力が出ませんでした。その反省から、1層のバンブーネットに土を付け、その上からもう1層のバンブーネットを張って押さえ込むという工法により、しっかり間に土を充填した土壁を製作しました。。






 画像は実験風景です。かなり変形していますね。1/30 rad、水平変位で9cmほどの変形となっています。グラフにあるように、12kNほどの荷重に耐えています。昨年の試験体が青、今年のものが黄色です。ずいぶん耐力が上がっていることがわかりますね。初期の小さい変形の場合にはあまり変わらないのですが、大きな荷重、大きな変形になってきてずいぶん差が出てきています。これは最初は表塗りの層も耐力に寄与しているのが、1/60変形あたりから内側の壁土の圧縮変形が重要になってきているからと思われます。今回の土壁では、壁倍率がおよそ2.5倍ほどになっていました。

wbn09174.JPG

 下の画像では、左が1/30rad変形時の試験体下部の様子です。安全限界と言っている辺りですね。うっすらクラックが見えて来ていますが、まだまだ大丈夫です。中央の写真がジャッキで押せる限界の1/11rad変形時のもの。表面の中塗 り土は大きなひび割れが入っていますが、中の土がまだまだよく効いていて、耐力が落ちていません。最大耐力約13kNを出しています。右の画像は、表面の中塗り土を剥がしてみたところです。バンブーネットはそのまま止まっていて、乱れがありません。間の土の様子はよくわかりませんが、上下の貫の圧縮に耐えていると思われます。

WBN09171.JPG

 現実には、伝統町家のような柔らかな構造では、こんな力がかかるかどうかわかりませんが、また、込み栓で止められた接合部が大きな力に耐えられないとは思いますが、金物などで柱脚固定をするような現代的な工法で伝統土壁を設けたい場合には、有効な方法と言えるでしょう。とても高い変形性能が伝統木構造の補強として好ましいように思います。     (さのはるひと)
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