11月21日、先週に引き続き、概論授業における卒業生による職業紹介がありました。今度は意匠設計から、神戸で活躍されている高宮透さん。2005年の卒業になります。
高宮君は学生時代から、個性的なデザインを根強く追い掛けていて、やはりデザインのよくできる数人の仲間の中でもとりわけ「巨匠」と呼ばれて、設計作品が出て来るのを楽しみに待たれていました。(半分は冷やかしでしたが。)
卒業後、京都の設計事務所につとめていましたが、寝る暇もないくらい忙しく働かねばならぬ事務所に嫌気がさして、退職、自分を見直すために、そもそも建築をやろうと思うにいたったガウディを見にバルセロナに向かいます。バルセロナに半年ほど住み、日本に帰って来て、温熱環境設計を得意とする設計事務所に意匠担当として勤め、このほど独立して自分の事務所で仕事を始めたところです。
神戸の面白い住宅の作品、バルセロナ時代の友人のためのカフェ。これはちょうどバルセロナに滞在していた森田一弥さんとのコラボ仕事なんだそうです。(写真)
バルセロナのカフェ「うさぎ」
高宮君は照明計画を担当したとのことですが、スペインのアパートはこんな風にレンガの壁、レンガのボールト天井で、実にカッコいいですね。それを見事に森田さんの漆喰の磨きがスマートに生かしています。高宮君の照明は歴史的な遺跡を照明する仕方に倣ったものだそうです。
専門学校の学 生時代の懐かしい作品も紹介しながら、後輩たちに丁寧にアドバイスをしていただきました。現役生徒たちにはいい刺激になったでし ょう。心より感謝です。
今後の高宮君の活躍ぶりをおおいに期待したいです。なお、高宮君自身がブログで今日のミニレクチャーについて紹介していますので、そちらをぜひご覧下さい。
→http://t83kata.blog72.fc2.com/blog-entry-279.html
(さのはるひと)
高宮君は学生時代から、個性的なデザインを根強く追い掛けていて、やはりデザインのよくできる数人の仲間の中でもとりわけ「巨匠」と呼ばれて、設計作品が出て来るのを楽しみに待たれていました。(半分は冷やかしでしたが。)
卒業後、京都の設計事務所につとめていましたが、寝る暇もないくらい忙しく働かねばならぬ事務所に嫌気がさして、退職、自分を見直すために、そもそも建築をやろうと思うにいたったガウディを見にバルセロナに向かいます。バルセロナに半年ほど住み、日本に帰って来て、温熱環境設計を得意とする設計事務所に意匠担当として勤め、このほど独立して自分の事務所で仕事を始めたところです。
神戸の面白い住宅の作品、バルセロナ時代の友人のためのカフェ。これはちょうどバルセロナに滞在していた森田一弥さんとのコラボ仕事なんだそうです。(写真)
バルセロナのカフェ「うさぎ」
高宮君は照明計画を担当したとのことですが、スペインのアパートはこんな風にレンガの壁、レンガのボールト天井で、実にカッコいいですね。それを見事に森田さんの漆喰の磨きがスマートに生かしています。高宮君の照明は歴史的な遺跡を照明する仕方に倣ったものだそうです。
専門学校の学
今後の高宮君の活躍ぶりをおおいに期待したいです。なお、高宮君自身がブログで今日のミニレクチャーについて紹介していますので、そちらをぜひご覧下さい。
→http://t83kata.blog72.fc2.com/blog-entry-279.html
(さのはるひと)
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後期には1、2年合同の授業、建築概論があります。その中で様々な建築関係職にある卒業生たちにミニレクチャーをお願いしています。今年は工務店から北村篤史さんにお越し願いました。
北村さんは15年前の卒業で、京都のゼネコン(建設会社)に勤めた後、家の工務店に移られました。現在は木造住宅を主に仕事をされています。今年の春に完成見学会の家でばったり出会って、今回のミニレクチャーをお願いしたものです。天然乾燥材や自然素材といった最近の良心的な木造の家づくりを手がけるだけあって、まじめで信頼される人柄がにじみ出ていると、生徒たちの感想です。
家づくりの現場の様子、工務店の監督とはどんな仕事をする人か、わかりやすく説明していただきました。誇張の無い、おだやかな語り口に、いつしか生徒たちも惹き付けられています。
北村君は決して在学中は目立って他をリードするということはない、成績も中ぐらいの、でも意欲的な生徒でした。こうしてお話を伺っていると、ほとんど学生時代と変わらぬ穏やかな中にも人格を感じる性格のままで、嬉しく感じました。こういう人なら、いい家をつくってくれるだろうな、と思えてしまいます。
今回のミニレクチャーのために、ずいぶん準備をしてくれたのだろうと思います。忙しい中、心より感謝です。きっと聞いていた生徒たちにも伝わったことでしょう。どんどんいい仕事をして、多くの方の信頼を身につけていただきたく思います。
(さのはるひと)
北村さんは15年前の卒業で、京都のゼネコン(建設会社)に勤めた後、家の工務店に移られました。現在は木造住宅を主に仕事をされています。今年の春に完成見学会の家でばったり出会って、今回のミニレクチャーをお願いしたものです。天然乾燥材や自然素材といった最近の良心的な木造の家づくりを手がけるだけあって、まじめで信頼される人柄がにじみ出ていると、生徒たちの感想です。
家づくりの現場の様子、工務店の監督とはどんな仕事をする人か、わかりやすく説明していただきました。誇張の無い、おだやかな語り口に、いつしか生徒たちも惹き付けられています。
北村君は決して在学中は目立って他をリードするということはない、成績も中ぐらいの、でも意欲的な生徒でした。こうしてお話を伺っていると、ほとんど学生時代と変わらぬ穏やかな中にも人格を感じる性格のままで、嬉しく感じました。こういう人なら、いい家をつくってくれるだろうな、と思えてしまいます。
今回のミニレクチャーのために、ずいぶん準備をしてくれたのだろうと思います。忙しい中、心より感謝です。きっと聞いていた生徒たちにも伝わったことでしょう。どんどんいい仕事をして、多くの方の信頼を身につけていただきたく思います。
(さのはるひと)
10月24日水曜日、午後に学校からそう遠くない公共施設「京都アスニー」の研修室にて、建築概論授業で行うグループ発表会を行いました。建築科2年生の5つのグループと、1年生から特別参加の1チームです。
No.1 「夏期における町家の温熱環境測定」(大澤チーム)
「家のつくりやうは夏をむねとすへし」という伝統の町家として、よしやまち校舎の温熱環境を測定し、夏に涼しいと言われる要因を分析した。お盆の暑い頃に町家校舎の床下、通り庭、1階座敷、縁側、2階座敷、小屋裏、そして外気にて気温と湿度の測定を実施、1週間の連続データを採取した。データから、読み取れたことは、土壁に囲まれた通り庭が気温も上がらず、湿度もほぼ一定に保たれ、居心地よい環境であるのに対し、二階や小屋裏は晩まで熱がこもって不快な環境となっていることである。今回の実験では締め切りの状態だったので、なおさらそのような結果となった。
比較のために行った別の家では、屋根を2層の空気層と3層の杉板で遮熱がうまく行っていたことから、通気層や風通しの重要性がデータからも言える。現在、工事中の平成京町家のデータを来年の夏に採取して比較したい。 (大澤、中西、玉田)
No.2 「地域の木材の利用と保全」(若山チーム)
京都市の川上になる京北の木材や林業がどのような状況になっているか、近年開校した京都府林業大学校でヒヤリングをおこなった。また、建築に携わる自分たちにできる地域材の保全のためのアクションとして、林業地で行われている啓蒙イベントに参加した。もっと若い人たちに関心をもってもらうことの重要性を感じた。 (若山、石原、古谷、濱口、森田ゆ)
No.3 「平成の京町家の継手・仕口」(長瀬チーム)
平成の京町家伝統型モデルハウスの建設経験から、そこで用いられている追掛大栓継、落蟻、兜蟻、雇いほぞ差し車知栓留め(三方/四方差し)、貫などの継手、仕口の加工、組立の方法や問題点、よくするために気づいた工夫について報告した。 (長瀬、森田た、小栗、大下、中畠、田村、岡野)
No.4 「町家の庭」(岡チーム)
町家の庭の特徴、つくりについて調べた。庭は、室内でできないことを行う場であると総括できる。町家には、「前庭」「通り庭」「坪庭」があり、それぞれに特徴的なしつらえがある。とりわけ、飛び石や灯籠、手水鉢など、茶室の露地のしつらえが写されていて、その後の町家の庭の様式となっている。
会場から、通り庭は室内ではないか?という質問が出たが、外部的な空間としてとらえることもできると考えられ、屋根が架けられた庭として、内外の中間領域が同時にあるところが、町家の面白さでもあると。 (岡、中村、木村、河野、小川)
No.5 「40年後の都市<都市のコア>」(日下部・京都建築スクールチーム)
京都の大学、院生間でおこなっている建築と都市のルールを基にしたデザインを設計提案する共同学習の場(京都建築スクール2012)の成果を報告。京都の「田の字型地区」に見られる街区の姿には、人々の交流・通商の場であった「オモテ」も、生活空間であった「ウラ」も、車に占有されて、昔のような活き活きとした場になっていない。街路に面しては交通の空間として、街区の内部に広場を設け、かつての「オモテ」をそこにつくりなおす。建物は屋上を「ウラ」空間としてつかえるように提案する。街区によって、様々な内部広場(都市のコア)をつくることができ、人々はそこに抜ける路地を通り抜けることで、新たな楽しい都市の姿を創成できる。 (日下部、六車、呉田)
No.6 「茅葺きの体験を通して」(1年平山・木匠塾チーム)
京北大野町でのNPO鉾杉塾の協力として今年の夏の木匠塾でおこなった茅葺き小屋の建設で得た体験を報告。茅葺き屋根のつくりかた、特に基本となる技術としての「男結び」を実演を交えて紹介。体験を通して、鉾杉塾のメンバーや若き茅葺き職人、茅葺き活動家たちとの交流によって、建築行為の可能性に気づいた。 (平山、竹之下、景山、平井)
以上、6チームの発表を、全員で採点、評価。2年担任の菅原先生、福田校長から感想やコメントをいただいた。とくにこの日の発表でもっとも好ましかったチームとして、No.6 の茅葺き1年生チームが選ばれ、グランプリを獲得した。 みなさん、よく頑張ってくれました。お疲れさま。 (さの)
No.1 「夏期における町家の温熱環境測定」(大澤チーム)
「家のつくりやうは夏をむねとすへし」という伝統の町家として、よしやまち校舎の温熱環境を測定し、夏に涼しいと言われる要因を分析した。お盆の暑い頃に町家校舎の床下、通り庭、1階座敷、縁側、2階座敷、小屋裏、そして外気にて気温と湿度の測定を実施、1週間の連続データを採取した。データから、読み取れたことは、土壁に囲まれた通り庭が気温も上がらず、湿度もほぼ一定に保たれ、居心地よい環境であるのに対し、二階や小屋裏は晩まで熱がこもって不快な環境となっていることである。今回の実験では締め切りの状態だったので、なおさらそのような結果となった。
比較のために行った別の家では、屋根を2層の空気層と3層の杉板で遮熱がうまく行っていたことから、通気層や風通しの重要性がデータからも言える。現在、工事中の平成京町家のデータを来年の夏に採取して比較したい。 (大澤、中西、玉田)
No.2 「地域の木材の利用と保全」(若山チーム)
京都市の川上になる京北の木材や林業がどのような状況になっているか、近年開校した京都府林業大学校でヒヤリングをおこなった。また、建築に携わる自分たちにできる地域材の保全のためのアクションとして、林業地で行われている啓蒙イベントに参加した。もっと若い人たちに関心をもってもらうことの重要性を感じた。 (若山、石原、古谷、濱口、森田ゆ)
No.3 「平成の京町家の継手・仕口」(長瀬チーム)
平成の京町家伝統型モデルハウスの建設経験から、そこで用いられている追掛大栓継、落蟻、兜蟻、雇いほぞ差し車知栓留め(三方/四方差し)、貫などの継手、仕口の加工、組立の方法や問題点、よくするために気づいた工夫について報告した。 (長瀬、森田た、小栗、大下、中畠、田村、岡野)
No.4 「町家の庭」(岡チーム)
町家の庭の特徴、つくりについて調べた。庭は、室内でできないことを行う場であると総括できる。町家には、「前庭」「通り庭」「坪庭」があり、それぞれに特徴的なしつらえがある。とりわけ、飛び石や灯籠、手水鉢など、茶室の露地のしつらえが写されていて、その後の町家の庭の様式となっている。
会場から、通り庭は室内ではないか?という質問が出たが、外部的な空間としてとらえることもできると考えられ、屋根が架けられた庭として、内外の中間領域が同時にあるところが、町家の面白さでもあると。 (岡、中村、木村、河野、小川)
No.5 「40年後の都市<都市のコア>」(日下部・京都建築スクールチーム)
京都の大学、院生間でおこなっている建築と都市のルールを基にしたデザインを設計提案する共同学習の場(京都建築スクール2012)の成果を報告。京都の「田の字型地区」に見られる街区の姿には、人々の交流・通商の場であった「オモテ」も、生活空間であった「ウラ」も、車に占有されて、昔のような活き活きとした場になっていない。街路に面しては交通の空間として、街区の内部に広場を設け、かつての「オモテ」をそこにつくりなおす。建物は屋上を「ウラ」空間としてつかえるように提案する。街区によって、様々な内部広場(都市のコア)をつくることができ、人々はそこに抜ける路地を通り抜けることで、新たな楽しい都市の姿を創成できる。 (日下部、六車、呉田)
No.6 「茅葺きの体験を通して」(1年平山・木匠塾チーム)
京北大野町でのNPO鉾杉塾の協力として今年の夏の木匠塾でおこなった茅葺き小屋の建設で得た体験を報告。茅葺き屋根のつくりかた、特に基本となる技術としての「男結び」を実演を交えて紹介。体験を通して、鉾杉塾のメンバーや若き茅葺き職人、茅葺き活動家たちとの交流によって、建築行為の可能性に気づいた。 (平山、竹之下、景山、平井)
以上、6チームの発表を、全員で採点、評価。2年担任の菅原先生、福田校長から感想やコメントをいただいた。とくにこの日の発表でもっとも好ましかったチームとして、No.6 の茅葺き1年生チームが選ばれ、グランプリを獲得した。 みなさん、よく頑張ってくれました。お疲れさま。 (さの)
毎年のようにこの建築概論でミニレクチュアを提供していただいている京都府瓦工事協同組合青年部さん、今年は淡路の瓦メーカーさんによる瓦知識、そして工事についてお話いただきました。
2年生は昨年も話を聞いていますが、今年は瓦博識のメーカーさんによるすばらしい紹介を堪能。歴史から製造過程や種類、施工や太陽光発電瓦まで盛りだくさんのお話でした。中でも、瓦型の太陽光発電パネルについては興味があつまりました。もっと詳しいお話を伺える機会が欲しいですね。
後半は工事側で、青年部の方が葺き方に関する説明を。伝統の土葺きから現在の耐震に有利な空葺き工法までわかりやすく説明していただきました。会場から通気工法や輻射熱の遮断による温熱効果について質問がありました。メーカーさんの説明では、輻射熱の効果についてはデータがなく、断熱材の効果の方が大きいという回答でした。
とても充実した講義で、学生たちからも好評でした。青年部の方たちには今年は平成の京町家でもたいへんお世話になっています。重ねてお礼を申し上げたく思います。お疲れさまでした。
(さの)
建築科1年の平山です。6月からやっていた住宅設計のプレゼンの日がやってきました。模型をがんばってつくりました。3日も寝てないです。(眠い〜!)で、どうだったかって?大丈夫、自信あります!
朝から皆で皆の作品を見て回って、採点します。採点は意匠計画と図面、模型、パースなど、それにまち並みグループ発表の点が加わります。ほかの人の作品を見るのもいい勉強になります。この点数がそのまま皆の評価点となり、成績になるので、いい加減につけられません。だから、採点に時間がかかります。みんなもまじめにつけておくれ!
一応、皆の採点が終わったところで、まち並みグループ毎の発表です。それぞれの模型を合わせて、全体のまち並みがうまくできたかどうか、それぞれ、どのようなまち並み意識をもって設計を行ったか、結果、うまくできたのかどうか、話します。
グループごとにまち並みの成果はさまざまでした。あまりグループごとに議論や検討ができなかったな〜。正直、自分の家のことで頭がいっぱいでした。
最後にぼくたちのグループ、「山荘風の家が建ち並ぶまち」の発表です。山荘だけに、屋根の勾配がきつく、屋根の存在感が大きいだけに、並べると迫力がありました。ルールでどの家にもストーブをつけるというのがあったので、ちゃんと皆の家の屋根に煙突が。ちょっと嬉しくなりました。皆の表情からも、先生の評価も、まち並みコンクールで1等賞をいただきました。やったね!みんな、よくがんばった!
(平山でした。作品で今年のグランプリをいただきました!)
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