建築科2年、さぬきのじゅんです。今週から後期授業が始まりました。木工チームは、腕木耐力試験の最後、ダボ仕様版を実験します。腕木と肘木を二段に重ねて、それを幅45mm厚さ15mm高さ60mm、上下に30mmずつ食い込む角ダボ4カ所で留めています。前に作成した栓は、こしらえるのに大変面倒なのと、断面欠損が大きいという理由で、通常のダボで実験してみようということに。
ちょうど今日は後期にある構造実験の授業ですので、授業としてクラス全員が見ている前で実験を行いました。
いつものように、イヌヅカ君がぐいぐいジャッキを押して行きます。あっという間に積雪荷重で決まる3kN、8mmほどの変位を記録。そして10kN、およそ1t の荷重がかけられ、およそ30mmの沈下。途中でパシッと大きな音が。サノ先生に聞けば、込み栓が折れた音とのこと。ダボでの水平方向の動きはほとんど見られません。ここまではぴったり、腕木と肘木がくっついています。20kNを超え、沈下はすでに70mmとなっています。いつ破壊してもいい状態だそうです。どこで破壊するか、予想してご覧、と先生。ん〜、やはり柱の付け根で断面積が変化するところですかね〜? 緊張が高まって、場内はし〜んとしています。ただ、ジャッキで加圧し、ぴしぴしという音が響いて、
突然、ばっかん!と、すさまじい音で破壊しました。一同、びっくり!何と、載荷点のボルトが、腕木を割ってしまっています。そうか、そこで壊れるんだ。破壊の衝撃で、腕木が肘木よりも9mmほど浮いていて、ダボが隙間から見えています。記録では、23kN、90mmの沈下でした。1mの腕木が9cmも曲がっているのですから、1/11radの変形、しかも曲げ破壊ではなく、引裂せんだん破壊によって壊れています。ひのきの曲げ耐力というのはすごいですね。これで、荷重の掛け方を、腕木の中央に通したボルトで引っ張るのではなく、実際の母屋が押すように、腕木の上端に掛けていたら、もっと高い数字となったはずです。
結果をグラフで出してみました。前回の栓(けやき 30*15*360mm 4カ所)よりも優れた結果が見られます。実際の腕木のつくり方として、このダボ方式でいいようですね。見事な試験体の製作をしてくれたTD君に、皆さん拍手!
(さぬきのじゅんでした)
(さぬきのじゅんでした)
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