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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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 takamine001.jpg

昨年秋、北区の方から町家研究室に相談があった。鷹峯に小さな町家を借りて自分で直したいので、手伝って欲しいと。すでにあちこち改修の相談があって、学生たちも手一杯で動けない中、でもどんなところだろう?と、行ってみた。古い周山街道沿いの可愛らしい平家の町家を一目見て、一目惚れ。軒をぐっと深くせり出して、いい具合の何だか時代劇に出て来そうな構えです。
「ああ、いいよね〜。昔、ここを訪れた人がちょっと軒下のショウギに腰掛けて一服、お茶か団子をいただいたんだろうな。」
自作の服を展示するギャラリーを兼ねて、お茶をお出しして訪れた人にゆっくりしてもらえるようなお店にしたいとMさん。ご主人と一緒に少しずつ改修をしたいとのこと。
「まずは傷んでいるもの、不要なものを除去して、きれいに片付けましょう。」
最低限、残しておいた方がよさそうなものを指摘して、後はあわてず、ご家族のペースで片付けてもらうことに。いつものように、ぼくたちは健全な構造体を目指して治して行く方針であること、まだあまり経験のない一年生を中心にチームをつくってお手伝いすることをお伝えして、この日はおわり。


takamine002.jpg

年が明けて、いよいよ新チームが稼働開始!行ってみると、あちこちきれいさっぱり、不快要素はほとんど消滅して、この建物の空間の魅力がそのまま表われていた。よほどご夫婦はがんばって片付け作業をしてくれたに違いない。表の障子を新しく張り替えるだけでも、見違えるよう。新たな生命が吹き込まれたかのようだ。1年生チームの ナベ、オ〜タ、ガンチャン3名はまず、東の妻壁の補強工事から始めることに。

崩れつつある土壁を落して行くと、以前から相当に傷んでいたようで、過去に数度の改修跡が見られる。裏の竹やぶがここまで侵入して来ていて、竹の根を除去するのにかなり手こずっていたが、何とか除去。貫を入れて、石を並べ、竹小舞を編み、荒壁土を練り、やっと荒壁を塗るところまで漕ぎ就いた。何から何まで初めての経験なので、勝手もコツもわからず、ずいぶん時間がかかったが、よく投げ出さず、頑張ってくれたものだ。感心感心。

その後、二人がめげずに通って作業する理由が明らかになった。Mさんがお昼にと、おいしそうな手料理を運んで来てくれる、お茶も出る、寒かろうとストーブまで準備してくれる。何とも至れり尽くせりなのだ。なるほど、これなら一生懸命になるはずだよね。その気持ちにちゃんとお応えしなくては。本格的な改修作業はこれから。それまで今の地道な作業を頑張ってください!

(さのはるひと)



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