卒業生のワタルです。平成の京町家は昨年のぼくたちの課題だったはずが、1年延びてしまって、残念な思いをしていました。でも、卒業後に呼んでもらい、タダ棟梁の助手として参加参加させてもらっています。今日は二つの天窓をつくりました。ガラス瓦が載るように、下地を用意する作業です。とりあえず、位置を出して、二回り小さな穴を開けて、正確な開口の墨をつけます。下で見ていたサノ先生が、設計よりも一回り小さくつくろうと、変更となりました。小さく開けてよかった!
屋根作業班が断熱材の上から透湿防水シートをさっさと張っています。盆過ぎて、まだまだ暑い夏の空ですね〜。そして野地板を張って行きます。屋根に置かれた野地板が太陽の熱でねじ曲がっていきます。それを2人がかりで押えて、釘を打って留めます。野地板を打つのに2日かかりました。
軒端には、1寸板を流して軒を伸ばしています。堂宮の裏甲(うらごう)のようなものですね。表は白い杉を集め揃えたので、裏は赤い杉となりました。サノ先生は2寸にと言ってますが、もう少し伸ばしてもいいように思えて、3寸まで伸ばせるようにしました。
ーーサノ:ありがとう。2.5寸で切らせてもらったよ。
二階から見ていますが、案外、この裏甲は見えないですね。でも、軒先の瓦がぐっと見えることでしょう。こうやって見ていると、サノ先生がこの1間を下屋風に屋根を下げたのが理解できるように思います。1間貫もきれいですね。でも、これは土壁で見えなくなってしまうのですが。サノ先生、もう少し軒を伸ばしてもよかったのでは?
ーーサノ:う〜ん、ここから見る限りはそうかもしれないね。通り庇の軒の出と相関するだろうと思っているんだよ。
柱と貫のつくるリズムがなかなか気に入ってます。サノ先生がよく話している伝統的な構法のもつ素直な魅力なんだろうなあと。正面もいいです。でも、通り庇ができると、こういう風には見えなくなってしまいますね。通り庇のない昨年の第一案は、これをねらっていたんでしょうね。でも、出格子ができて、出桁や腕木がある景色もいいものになるように思います。楽しみです。
(卒業生のマツイワタルでした)
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