恒例の建築学会近畿支部との共催事業「親と子の建築教室〜伝統の土壁竹小舞編みと荒壁塗り」を行いました。今年で10回目、はやいものです。いつものように、よしやまち町家校舎にみなさんにお集まりいただき、自己紹介をしてもらいました。今年は大勢の希望があり、早くから募集打ち切りとなって、いち早くチラシが届いた京都市域以外の方には残念なことになってしまいました。参加希望のリピーターの方もおられましたのに、ごめんなさい。
午前中は本校舎にセットされた枠に竹小舞を編んで行きます。まず、左官の林棟梁が手本を示します。サポート役のスタッフもほとんど初めてのことなので、みなさん一様に一生懸命見ています。
8台並んだ枠に親子さんたちとスタッフが張り付いて小舞を編んでいます。別に競争しているわけではないのですが、みなさん真剣です。平成京町家の学生棟梁でもあるナカニシ君、あちこちでサポートしてくれてますね。何とか12時ごろには全員終了しました。
よしやまち町家にもどってお昼を食べた後に、ちょっとご案内。今年はみなさん京都出身なので、中には町家をよくご存知の方もおられるでしょうね。あれ、今年は走り回る子がいない。これなあに、あれなあにと聞いて来る子もいないなあ。
さて、ふたたび本校舎に移動して、いよいよ荒壁塗りです。土練りの話とコテ、コテ板の使い方を説明した後、林棟梁に手本を示してもらいます。いかにも易々と塗ってしまうので、誰にもできそうに思ってしまいますね。
今年の子どもたちはみな頑張ってもくもくと塗っています。ほとんど同じくらいの小学生たちで粒が揃っているからでしょうか。塗りたがっている親に最後までコテを渡さず塗り上げる子も。あんまりまじめに塗ってばかりいるので、思わずストップをかけて、お茶タイムを。
林棟梁のプロの腕前を披露していただきました。子どもたちも親たちもスタッフも、しっかり見つめていました。ちょっと経験すると、プロの凄さがわかるのです。
表を塗り終わると、裏も塗ってもらいます。何と、この段になってまだ教えられた通りに器用にコテを使っている子もいますね。以前はコテを投げ出して、素手でぬりたくる子もいたのにな〜。ぼたぼた下に落して山になっているということもありません。服もそんなに汚れた子もいません。ちょっと複雑な思いです。
すべて塗り終わり、道具も洗って、全員揃っての記念写真です。撮影の間が空いたこともあって、ちょっと疲れた表情ですね。さあ、町家に帰って、お菓子を食べましょう。
お菓子とジュースをいただき、みなさんに感想を披露してもらいました。みんな一日、よく頑張ってくれました。コテに受けた土の重さ、ぐっと塗り付けた土の粘っこさの感触はしばらく忘れないことでしょう。いつか、この1000年以上続いている民の技術を生かしてくれる日を迎えてください。学会の委員のみなさま、スタッフのみなさん、おかげさまで充実した10周年の一日を無事終えることができました。心からお礼を申し上げます。
(さのはるひと)
*10月ないし11月にも平成京町家の新築工事にて竹小舞編みおよび荒壁塗りの市民公開イベントを企画しております。詳細が決まり次第、学校HPなどで発表しますので、どうぞお出でくださいますよう。
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