今日は日曜日で木匠塾の1年生たち9人は茅葺作業がありません。彼らの先輩たちが10年ほど前の木匠塾で美山自然文化村に制作したツリーハウスのメンテナンス作業に行きました。6月に来た折りに見たところでは、芯に抱いている杉が太って、穴が窮屈になり、食い込んでいる状態。穴を大きくしてやる必要がありました。
リン :いい雰囲気だね〜。
タクミ:これがそのツリーハウスか。ええやん。のぼってみよう。
リン :ホント、杉の幹に食い込んでる。これを広げて楽にしてやるんだな。
タクミ:奥の方にあるのが京大生たちがつくったツリーテラスだそうだ。
リン :階段もなくて登れないね。
タクミ:上にあったテラスが腐ってしまって、撤去されたらしいで。
リン :先生が残っている構造も解体して整理するようにと。
タクミ:あっちはタケさんとタイシ、ババッチが担当する。おれらはツリーハウスや。
タクミ:まず丸太で足場をつくるんや。
リン :バンセンでくくるわけね。
タクミ:自分で締めた上に登って行くんでしっかり留めな。
リン :足場ができたし、ワタルと穴開け作業に回る。
タクミ:ユウヒと屋根に昇るし。杉の枝がいっぱい、滑って危ないで。
リン :細いロープで縛るようにと。屋根に滑り留めを打てばいいんだが、。。板がないそうだ。
タクミ:代わりに箒くれたで。
リン :ゴミと一緒に落ちて来るなよ。
隣ではタイシとタケ、ミヤタケネーサンが解体をやってます。10年経って木は腐ってますが、ナットが回ってくれるので何とかボルトを外せます。危ないので、順番を考えて外して行きます。2時間ほどですべて解体。何も無かったような空間に戻りました。さて、作業が終わった人はせっかくだから、近所の茅葺き集落を見ておいで。リンとタクミ君はごめん、ツリーハウスの作業を続けてください。
リン :床の穴、何とか空いた。屋根も開けるんだな。。。ちょっと大きすぎたかも。
タクミ:まあ、ええやん。大は小を兼ねるって言うし。
リン :次は防腐塗料を塗るんだそうだ。
タクミ:いよいよ滑って困る。。。脚立が空いたからそれを足場にしよう。
リン :ずいぶん高いところも馴れて来たね。
タクミ:防腐塗料も塗れたので、降りよう。足場も順番に外して行く。
リン :一日でバンセンとシノの使い方おぼえたな。
タクミ:まずまずの達成感や。さて、はよ片付けて、北村に見に行くで。
1年生諸君、実にてきぱきと作業をやってくれました。おつかれさま。作業が終わるのを待っていた子どもたちがさっそく、ツリーハウスに登ります。
「毎年ここに来て登るんやで」
「へえ、そうなんだ。怖くない?」
「昔は怖かった。その内一人で登れるようになったんや」
神戸から見えた別の親子さん:
「子どもができる前からいいなと思ってました。子どもたちも毎年ここに来てこれに登るんを楽しみにしてます。いつまであるかなと思っていたけれども、こうして手を入れてくれているのを見て嬉しく思ってます。」
なるほど、ここに毎年来て登ってくれているんですね。毎年毎年の思い出がこのツリーハウスに蓄積して行く。つくり手としてこんな嬉しいことはありません。
これまで、危険なので使用不可に、撤去する、などと検討されて来たけれども、こうやって残してくれている自然文化村に感謝です。ぼくたちも毎年見に来て、傷んだところがあれば、修繕します。これからもよろしく!
(さの)
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