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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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建築科2年木工コースのテラダです。わがチームは東山区の町家改修を担当しています。もとお医者さんの京都邸だったというこの町家はきれいな庭をはさんで2棟の数寄屋風の家が建っています。おそらく主屋だった表町家があったのでしょうけれども、今はなくなって駐車場になっています。上は改修前の写真です。 長い間放っておかれた庭には鳥が運んで来た種から欅やカシなどが育って鬱蒼としています。きれいなツバキとモミジを生かすために、自生した木はすべて伐採するのだそうです。離れも柱が沈下していたり、シロアリの被害もあちこちに見られます。

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この町家は先輩のユ〜スケさんがシェアハウスに生かそうと関東住在のオーナーさんから依頼されたものだそうです。 庭付きの京都型シェアハウスとは贅沢ですね〜。僕たち木工チームはそのお手伝いをします。
この町家には他にも2棟の家が西に隣接していて、来年度に改修する予定だそうです。東側の数寄屋風離れ2棟は元通りに修復し、西側2棟は楽しいシェアハウスに改修する予定です。

同じく建築科2年の女子学生4名が 卒業制作インテリアコースとして改修デザイン提案を学びます。上の写真はよしやまち町家で説明を受けているところです。ユ〜スケさんと一緒に活動しているレナさんが指導に当たってくれるそうです。

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5月から現場に入り、まずは不要な部分や修繕のために外さねばならない床などを撤去する作業を行いました。壁を覆っていたベニアや畳をめくると、傷みが見えてきます。無理をした前の改修仕事をほとんど撤去する方針です。


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5月後半からは、まず南側にある離れの廂部分をこしらえる準備に入りました。床組や柱梁桁を用意し、刻んでいます。指導にはタダ先輩がついてるので、大安心です。現場の西側では、インテリア女子チームが打合せをしています。

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6月2日には、久しぶりにサノ先生が現場に来て、ユ〜スケ先輩に基礎石の据え方や仮すじかいなど指示を出していました。ここに来て梅雨入りした京都は雨がよく降ります。蚊がいっぱい沸いて来て、困りものです。基礎を据えて、はやく組立てたいです。
(報告byテラダでした)
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  さのです。昨日に引き続いて、木工コースメンバーによる蟻落とし仕口の耐力試験の2番目、引抜試験を行いました。これは昨日の水平曲げ試験よりも結果が予想しやすく、ほぼ予想通りの結果が見られました。

 まずは練習用の105mm角で実験。3kNほどでメス側に繊維方向に沿ってひび割れが生じ、しばし耐力は上がるけれども、ひびわれは成長していきます。5kNほどで最大値となり、ひびわれは大きく口をあけて、ボルトで止まっているだけの状態になり、最後は広がった口から蟻が抜けて終了です。グラフでは青の線で示しています。

 続いて120*180mmの本番部材で実験しました。(上の写真 グラフは緑) 破壊状況はほぼ同じで、耐力はほぼ倍になっています。蟻の大きさが105mm角の75mmに対して180mmですから、2.4倍。耐力は2.2倍ほどですので、まずまず比例関係を想像してよいと思われます。

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 7時過ぎから大工組合の葭塾(よしじゅく)メンバーが見学に参加、本番部材の2つめの実験を行いました。結果はほぼ2番目と同じですが、こちらの方が粘りつよく耐えていたようです。節や干割れなど、メス材の状況によってずいぶん違う数字になるだろうと想像されます。ちなみに、今回の材料はすべて京北産の杉の天然乾燥材。結果は下の赤いグラフで示しています。

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 現実には、蟻落としの仕口にこのような引抜力がかかる状況はないだろうと思います。前回の水平曲げ試験と比べれば、耐力は10倍ほど大きくなっていますが、曲げ荷重のかかり方からすれば、モーメントのはたらく距離で10倍、片側と両側の違いで2倍、合計で20倍ほど違っていても不思議ではないはずです。曲げ破壊ではどこかでめり込み降伏などで力が抜けているかもしれません。

 次回は来週の水曜日、今度はいよいよ鉛直方向の曲げ試験です。  

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                                               (さのはるひと)

今年度の建築科木工コースは3件の町家改修に挑んでいます。その紹介はまた別便でお知らせしましょう。ここでは、京都のまちにふさわしい新築町家を建てるのに必要な勉強として、杉材を用いた蟻落とし仕口を検討しようと、耐力実験を行っている様子を紹介します。


ariyoko180-2.JPG 実験の様子 受ける梁に割れ破壊がおこる

 実験は3体、1は練習用でつくった105mm角の腰掛蟻、グラフはyoko105-1 赤で示しています。
次に4寸*8寸の親梁に4寸*6寸のささらが蟻で仕込まれたものを2つ。
その1は先日、データ無しで破壊試験したものを再度、割れをビスで留めて実験をしてみました。 グラフはyoko180-1 緑 です。
もう一つのサンプルですが、タダ君が作成したものです。グラフは yoko180-2 水色です。


542169dc.jpeg 実験結果比較グラフ

赤のグラフ105mm角の試験体では、力の作用点がh=800でしたので、曲げ力としては、ここのkN*1.25でkNm という数値になります。グラフはそのままのデータなので、このまま強度の比較にはなりません。
60mm程度引っ張ったところで最大値0.57kNですから、1/13rad で 0.71kNm という曲げ荷重が記録されていると見て下さい。
その後は徐々に落ちていって、0.25kN、0.31kNm で推移するということになりますが、これはボルトで押さえられているので、それ以上割れが進行しなかったということと見られます。

次に、緑のグラフ、180mmの試験体の1ですが、力の作用点Hが900ですので、曲げ力は1.1倍することになります。押し引きしていますが、押し(+側)は前回の破壊によって、強度が出ません。引き側(ー側)で見て下さい。
ー側では、最大値は-72mm辺りのところで-0.57kNとありますが、力の係具合で0点が25mmほどずれているので、補正すると、-50mm程度のところで0.57*1.1=0.63kNm となります。最大値では、+側の方が大きくて、116mmのところ(補正後 90mmのところ 1/10rad で)0.79kN 0.88kNmということになります。


3つめに水色のグラフ、180mmの試験体の2ですが、設定をあやまり、引き側(ー側)で途中からワイヤーが緩んでしまい、データが取れていません。押し側(+側)で見て下さい。最初から剛性が高くて、きちんとできている印象があります。さすがタダ君ですね。
25mm(1/36rad)あたりからほぼ横ばい状態で、0.9kNほどを出しています。最大値は80~90mm(1/12~10)あたりで 0.99kN 1.1kNmぐらいです。引き側では、60~80mmあたりで1.08kN 1.2kNm を出しています。


ariyoko.JPG

全体を通して、


1 蟻落しは水平横方向の曲げ荷重に弱そうだ

2 1/20~10rad でピークがあり、そこから母材に割れが入って耐力は落ちる

3 最大耐力は 蟻の長さで 2.5寸(75mm)で 0.75kNm 程度、 6寸( 180mm)で 1.1kNm 程度
  蟻の大きさに比例していないようだ

4 梁間方向での揺れにおいて、壁がある両妻面に対して、大黒柱通りは受けている荷重の割に壁が少ない
  ので、この通りの水平方向の振れ幅が大きくなる可能性がある。そのような場合に水平構面が平行四辺
  形に変形することになる。通し柱を結ぶ主要な梁とささらが変形に抵抗するが、蟻落としささらの水平曲げ
  に対する抵抗力の負担を検討する必要がある (上図参照)

今週はまっすぐ引き抜く実験をしてみます。お楽しみに。   

                                                (さのはるひと)

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 風薫る5月、たしかにそう。この日、朝まで降り続いた雨も上がり、素晴らしい天気に。午後から空いているというタカハシ君とナガセ君を連れて、久しぶりに京北合併記念の森に出かけた。研修棟の入り口付近にある杉木立には、目も覚めるような藤の花が。藤は杉をダメにしてしまう嫌われ者であるが、こんな見事な花を見てしまうと、ちょっと切れない。林家の人もそう思ったにちがいない。風向きで藤の香が届いてくる。

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 研修棟では、ダブルに入っているすじかいの中央を結ぶ作業を。座屈長さを短くして強度を得るよう、実験で確かめているので、ここでもそうすることにした。1年生の二人に取付作業をしてもらっている間に、付近を散策、森の整備工事を見て歩いた。すこしずつではあるが、手が入って生き生きとして来たところ、自然なしずかさが破られて残念に思われるところ、さまざまである。やがて、強い雨が盛り土を削り流し、元の自然な山に近付けていく。わが管理棟や研修棟はどうなって行くだろうか。

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 陽が陰り出したころ合いに、すべての作業が終わり、研修棟の前で記念写真。ごくろうさまでした。次は研修棟の土間に車で入れるように、進入路をつくる作業が待っている。また天気のいい時に一年生たちを誘って路肩の石を積む作業に来よう。お昼はバーベキューでもして楽しくやりましょう。     (さのはるひと)


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 新年最初の作業は雪の中で始まりました。リーダーのイナガキです。正月の雪につづいて時々の雪が積もって、40cmほどになっていました。車はスタッドレスに履き替えて、なんとか近くまで。軽トラも4駆で助かりました。屋根から落ちた雪を掘って内部に進みます。香川県や静岡県から来た数人は、雪が初めてと、はしゃいでいます。

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 左手の山に上がって写真を。杉がたくさん折れ曲がっています。例年だと1月の雪はこれほど重くなく、さらさらと落ちて被害はないものだそうですが、今年の雪は湿って重く、京北のあちこちで深刻な被害が出ているようです。これも温暖化の影響でしょうね。

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 昨年末に引き続き、すじかいの残りと両妻面の杉板張りをしています。丸太の柱に沿わして張る最初と最後がとても難しいです。次回で何とか張り終われるでしょう。床の下地こしらえも同時並行で進めています。寒さで作業はたいへん。とくに手が冷たくかじかんで困ります。でも、時折晴れて陽が射してくれるのでありがたいです。吹雪になったら作業できません。今週末、また雪が降るとの予報。月曜日は大丈夫かな~?
(イナガキでした。)
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