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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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 本日は土曜授業の一環として、中村昌生京都工芸繊維大学名誉教授の講演が行われました。伝統建築研究科OBや一般にも開放したため、教室は満席となりました。
 「和風建築について」と題して行われた講演について、少しご紹介しましょう。

 明治以降の近代化を進めようとする日本において、建築は西洋から伝えられたものが中心で、その文脈で今に至っています。つまり、はじめは西洋の建築を学ぶ西洋化、そして近代の新しい技術による近代化、が進められて参りました。それにより私たちは、ある程度利便性の高い生活を営むことが出来るようになりました。しかし一方、その影に隠れて、日本の伝統建築が軽んじられるようになり、研究の対象とされることも少なく、十分に理解が進まない間に、冷遇される状況に置かれてきました。
 一方、伝統を継承しながらも近代化を進めてきた工匠の技術は、新しい実力者たちの邸宅や山荘などに優れた建築を出現させました。明治・大正・昭和戦前において、日本の大工技術が最も熟成洗練された時代でした。当時の棟梁は設計と施工の技術を兼ねそなえて、施主の要望に応え、理想を実現していたのです。そしてこうした近代和風を築いてきた工匠の崇高な技術こそ、自然を愛し、自然に学び、自然と共に生きてきた、私たちの先祖の培った建築技術の歴史的伝統を継承していたのです。しかし、これとても昭和戦後に至っては、廃れる傾向にありました。
 近年、環境問題が注目されるようになりました。和風建築はじつは自然と深いつながりをもったものです。いまこそ、もう一度、和風建築を見直すべきではないでしょうか。利便性のみを追求する建築の考え方を今一度見直してはいかがでしょうか。このたびの東日本大震災は、近年の日本が進んできた物やエネルギーを大量に消費する方向に、大きな疑問を投げかけたのではないでしょうか。
 中村先生は「伝統を未来につなげる会」という社団法人を立ち上げ、伝統建築の魅力を発信し、伝統建築の復権に取り組んでいます。今回の講演は、スライドで日本建築の歴史をたどりながら、和風建築の魅力を紹介したものです。研究活動と作家活動の両面を行ってきた先生ならではの説得力ある講演会でした。
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