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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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 今年に入り、突然、学校の向かいにある2軒の町家が解体され、駐車場になるという話が飛び込んできました。何ということ!以前から、クリーニング屋さんには店をたたむときには相談してねと言っておいたのに。改修して、学生のためのカフェにしたかった。夜間の学生さんたちのために、軽い食べ物を廉価に提供できる学生カフェの夢は淡くも消えてしまいました。

mukai0122.JPG

 1月21日、せめて建具などを譲っていただきたいと、解体業者さんに掛け合い、いくつかいただくことができました。現在、学生たちで改修工事をしている東寺町家に使えそうなものもあります。レナ坊からも、天井板が欲しいと言われ、ジョー、ミウラ君を連れて天井をはがしに。ネズミのフンを頭からかぶりながら、何とか必要な枚数を確保。町家を残すことはできませんでしたが、せめてもの部品をほかの町家に生かすことだけはできそうです。

 それにしても、せっかく学校の門に瓦屋根を載せて、周囲の町家のある風情に溶け込ませようとしている最中に、まさか向かいの町家が2軒とも消えてしまうなんて。これも普段から近隣の親しい付き合いが出来ていなかったためですね。速やかに反省。 この通りは京都府庁があり、京都御所、迎賓館を訪ねた各国の要人たちが通る由緒ある通りなので、何とか京都らしい風情をがんばって残して行きたいものです。空いた敷地に新築町家が建てられるよう、頑張るぞ。  (さのはるひと) 
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 「稲荷山の家」は、退職された先生夫婦のために伏見区に設計した家で、すべて木と土壁でつくってみたところ、なかなか住み心地がよいと好評をいただいた。 建てるときにも学生たちに柿渋やべんがら塗りなどを手伝ってもらったが、その後も、塀のスタッコ塗りや柿渋塗りなどのメンテナンス、暮れの大掃除には学生たちに手伝ってもらっている。吹き抜けの居間にかかる丸太の梁の上にたまる埃を拭く掃除は、若者でなければできない。そんな家を設計した責任もあり、建てて終わる関係ではなく、こうしてお付き合いが続くのも悪くない。悪くないどころか、その度毎に、若い学生くんたちに住宅を見学させていただけること、家づくりで大事なことがどこにあるかを考えてもらういい機会になり、寛容なご主人に感謝感謝である。

ine01.jpg

 昨年の暮れのことになるが、例年の大掃除のついでに、幾度も柿渋を塗ってきたために黒ずんだ縁側を若返らそうと、サンダーで表面を削る作業を行った。ちょっと広めの縁側は、農家風の家に無くてはならない空間であるが、洗濯物干しやひなたぼっこや月見、友人達との宴会など、おおいに利用されているようだ。柿渋は時折雨が吹き込んで濡れる縁側の杉板を保護するために塗っているが、直射日光が当たって、黒ずみ、どうもいい感じにならない。

ine02.jpg

 表面を削り落とし、手でペーパーがけしてやると、馴れた白木になって、見違えるように。でも、このままでは心配なので、油引きをして保護してやろうと。エゴマ油を塗り、拭き取ってやると、濡れ色に。写真ではちょっと派手派手しいが、乾けば、落ち着くはず。すべての作業が終わり、これまたいつものようにご主人の心温まるごちそうをいただき、ともに楽しい時間を過ごすのでありました。いつまでもお元気でこの家と健やかにお暮らしください。 お手伝いいただいた学生諸君、お疲れさま。ありがとう。 (さのはるひと)



北岡です。梅雨空もなかなか良いものですが、大雨は怖いですね。

もうすぐ夏休みですね。
子供にだけ与えられている夢の時間
実は未だに、夢を見ている私です。

神戸の北野にCAPHOUSEという組織があります。
そこで、活動させていただいてから早8年。
私はアート林間学校という講座で子供向けの空間芸術講座である
基地を作ろう” を8年前から開催しています。

(例年、人気講座で数日で定員いっぱいになるんです。京都でもやってみたいですが。興味のある方見に来てください!)
これがなかなか建築を生業としている私にとって素敵な時間でもあります。

大人はもちろんのこと、子供たちには既に空間的な束縛を身につけています。
座る、寝る、それ以外ほとんど奪われてしまった様に見えます。
様々な空間とのつきあい方を現代の建築は奪っていますね。
もちろん、それが悪いことではありません。その安定したスタイルは様々な効率を向上させました。

基地。
この言葉に様々な世代の”元子供”達は心くすぐられるはず。
そのワクワクする思いは、世代を超えます。
期間中、ブラジル移民の施設だった古い建築の裏庭で、子供たちから少しずつ現代の”規定された空間”の経験をはがしとっていきます。
液晶画面の空間を。テレビの空間を。ダイニングキッチンという空間を。
机、いす、ソファーを。

するとどうでしょうか。
子供たちは、蹲り、腹這いになり、寝転がり、時には跨がり、渡り、飛び越え、額を寄せ、肩を寄せ、膝を突き合わせ、正座します。
機能を最低限満たすと、飾りや憩い、もてなし、下足との区分、清掃用具、窓などに創作力を注ぎます。
驚くことに、それは例年何も教えずとも彼らは数日のうちに同じような完成度をもたらしてくれます。

あれ、これって茶室など日本の伝統空間で私たちが所作や伝統としてしかふれあうことが無くなった仕草ではないですか。


日本の伝統建築空間は実は自由な空間と人の遊び心が多く残っている場なのです。
過剰な設備や前衛性に走らなければ存在意義の無い建築表現ではなく、人との一期一会を常に演出する心が自由に飛翔できるのが日本建築の目的。
懐深いですね。

京都建築専門学校はそんな日本建築空間をじっくりと学べます。

( きたおかしんや / 伝統建築研究科講師 )
http://yaplog.jp/lotuslotus/monthly/200507/ 

kiti2.jpg


初めまして。
前期に伝統建築論。後期に建築古典書講読を担当しております、北岡慎也です。
よろしくお願いいたします。

日本の伝統建築はとても魅力的です。それは誰もが感じ、知っている事です。
それは日本建築が過去のものではなく、現代に必要とされる何かがある事を直感
しているからだと私は思っています。
しかし建築を創造する立場になろうとしている上で、この魅力が現代社会におい
て、いかに展開するかはなかなか見えてきません。
きっと日本の建築が単なる造形的な探求や機能的な合理性を目指したものではな
いからだと思います。

日本建築は我々人間の営みから生まれた空間であると思いますし、同時にその空
間から営みを産み出すものです。
しかも、その営みの手本は様々です。近代的な合理主義的解釈だけでは理解でき
ない奥ゆかしさも持っています。
時には神仏や政治が。
時には悪しき慣習や差別が。
大胆な構法や見栄っ張りな装飾もあれば、魑魅魍魎とした精神が豊かな自然に抱
かれながら、新陳代謝の早い木造軸組構法の建築を形成しています。
なかなか一筋縄では捉えきれない造形行為の論拠が日本建築の特徴でもあります
が、その一つ一つに人間的な暖かみがある事も特徴であるでしょう。

現代社会における建築行為の論拠は、残念ながら経済が占めているといわざるを
得ません。時には人命までもおざなりにしている事態に至っては一昨年の物議を
醸した事で記憶に新しいでしょう。

そうした上で私たちは、日本建築の何かが今必要だと感じています。
京都が過剰なまでに東京と異なった注目を集めている理由も、どうやらその辺り
に転がっていそうです。

講義の目的は、こうした建築行為の多様な論拠を歴史の中に探すことなのです。

写真は桂離宮の園林堂にある飛び石です。
何気ない粋な意匠と言ってしまえばそれまでですが、宗教空間に至る直前の意識
の変化を伽藍の要素でひっそりと再構築しています。
そこには茶庭で育まれた飛び石の意匠能力と真行草の使い分け、蒔絵などに見る
散らしのセンス、雨落ちの意義、仏堂の本質など様々な理解がこのデザインをア
フォードしています。
私たちはこの造形を美しいと感じる素養を幸せなことに持っている。

なかなか面白いと思いませんか。
日本ってすごいですね。

(伝統建築研究科講師 北岡慎也)

back_cover.jpgUCカードの情報誌『てんとう虫』07/04に数寄屋の特集が組まれた。
特集のタイトルは「数寄屋、あいまいさゆえ」。
じつはその中の「インスピレーションの源 写しの手法」「数寄屋のしごと」を担当した。
「写しの手法」では、「本歌」としての桂や如庵について述べ、その「写し」として古典の名作や近代の建築家の仕事をあげた。
そこで大胆にも、F.L.ライトの落水荘を、自然(水)と人工(建築)との関わりから、「写し」の視点を大きく広げたものとして取り上げた。
そもそも「写し」とは単なるコピーではない。
歌の世界での「本歌」「本歌取り(写し)」の関係は、連想からどんどん広がるもので、創造の一つの手段である。
近代建築には、数寄屋を本歌とした「写し」が多く存在する。
いかにもそしらぬ顔をした近代建築から、その「本歌」を探すのも、また楽しい作業である。
「数寄屋のしごと」では、数寄屋師の山本隆章棟梁と横山竹材店について、昨年の数寄屋師の世界に引き続いてのコラムである。
ほかには、西和夫先生の「軽妙、遊び心、自由。それが数寄屋」、中村昌生先生の「利休の茶室」、大川三雄先生の「数寄屋建築とモダニズム」、また金田中や恵庵の案内なども掲載され、少ないページであるが充実した内容である。
ご希望の方は、ここにバックナンバーの申込要領が記載されているので、ご覧いただきたい。

きりさこ
(以上、ブログ「住まいと茶と山と」から転載加筆)
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