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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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 伝統建築演習という授業が木曜日の午後にあり、京都の伝統的な建築について講義を受けたり、見学に行ったりしています。秋晴れのこの日は京都御所に集合。学校から歩いて10分という近さがいいです。特別公開日ということもあって、たくさんの人!御所の回りには大きな木がいっぱい!中でもケヤキが紅葉の時期を迎え、黄色く輝いた梢から射し込んでくる光がとってもきれいです。♪

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 今日は三上校長先生がご都合悪く、代わりにサノ先生が説明してくださいました。私たちだけでなく、一般の人たちも説明を聞きに集まって来るので、回りは人の山!その度に宮内庁の係員から注意を受けてしまいます。今の紫宸殿は1855年の建造とか。明治維新に先立って、御所の新築をしているんですね。とても立派な建物ですが、楚々としていて、威圧感いっぱい、という雰囲気ではありません。周囲を取り囲む朱塗りの回廊や門もこれ以上ないくらいすっきりとしたデザインで、さすがに日本を代表する建築なんだと感心しました。

 渡殿をくぐり、清涼殿へ。何でこんなに大きく開けているのかしら。小御所、御学問所、御常御殿と続き、御庭も拝見。こうしてみると、どれも立派な御殿で、すごい量の檜皮葺屋根にあらためて驚きました。気の遠くなるような工事です。よく見ると、それぞれ意匠が違っていますね。下から見上げてばかりではなくて、いつか床の上に上がって眺めてみたいです。 (トモゾウでした)

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 建築科2年のイワミです。チームで耐力壁の構造実験の試験体を作っています。今回のテーマは土塗り石膏ボード真壁の壁倍率を試験しようというものです。フレームをつくり、下地を打ってボードを張り、今回は土塗りをしました。チームによって、胴縁下地、貫下地、中塗り土、石膏プラスター塗りと、仕様を変えています。

 この日は下地塗り用のモルタルを薄く塗って、やや落ち着いた頃合に土や石膏プラスターを15mmの厚さになるように塗りました。

 町家改修などで土壁塗りに慣れている人はとても上手で、作業も速いです。初めての人はやはりコテの使い方がちまちましていますね。でも、こんな土塗りがさっさとできるということは、考えてみたら、すごいことなのかも。これできれいに仕上げられたら、...でも、それでは左官学校になってしまいますね。壁が乾いて、どのくらい強いのか、実験が楽しみです。 (実はコンクリートのモダンな住宅の方が好きなイワミでした)

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 ユースケです。町家ゼミで祇園かいわい、花見小路の元お茶屋さんに見学に行ってきました。今まで見学に行った町家はこの学校の先輩たちが改修したお住まいが多かったのですが、今回の町家はこれから改修を計画しているものです。小雨のぱらつく寒い夕暮れ時ですが、花見小路はさすがに一大観光名所、人が多い。目指す町家はどっしりと落ち着いていい風情でした。

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 中に入ると、使われなかった時間が長かったのか、ちょっと荒れた感じがしました。平面は御茶屋らしく、小さな座敷があるかと思えば、どんと大きな座敷もあり、全体として、細やかな意匠が施されているというよりも、おおらかで媚びるところのないどっしりとした印象に、歴史を感じました。2階へ上る階段が広くゆったりとしていて、広い立派な廊下があります。ここで一差、舞を疲労するのでしょうね。座敷の欄間が東山を象ったこれもおおらかな透かし彫りとなっています。奥には前栽(中庭)をはさんで2階建ての離れ座敷になっていて、そこに渡る廊下がいい風情です。真ん中に生活サービス部分があり、隠れた階段などがあって、サービス動線ができています。さの先生の説明後、学生たちめいめいで平面を取る演習をしました。なかなか複雑な間取りになっていて、たいへんです。

 この町家をどう改修してお店にされるのか。1,2階で平面がずれたりしているので、構造的にある程度しっかり補強しなくてはいけないと思いました。この本格的な重みのある意匠をどう生かせるか、興味あるところです。また改修後に見せていただきたいです。(ユースケ)
 
 建築科1年前期の設計製図は木造を学んでいますが、その締めくくりとして、6戸からなる一団の郊外住宅地に独立住宅を設計するという課題に取り組んでもらっています。19日にその発表会を行いました。

 

提出図面は配置図兼平面図、立面、断面図、断面詳細図、構造図、それに外観模型とコンセプトを示すプレゼンテーションです。皆で、それぞれの作品を見て、採点します。全員の作品をつぶさに見て、採点が終わって、それぞれのグループの6戸からなる街並みを評価します。個々の家の設計の面白さだけではなく、街並をどれだけ意識できるかが、これからの住宅設計には重要だからです。

 

不思議に6戸を並べると、街並の個性や優劣が見えて来ます。皆の意見を求めてみても、そう見当違いな意見はありません。家と家との間に建てられたブロック塀なんか無い方がいいね、など。こうしたちょっとした街区設計への意識も2年などで演習したいものです。  
 
 

   午後から、10名あまりの入選作品について、発表してもらいました。単に優れた評価を得たものばかりではなく、興味深い作品、この人の話を聞いてみたいと思われる学生君に前に出てもらい、思いを聞いて行きます。後期の美術館では、プロジェクターを用いて発表してもらいますが、前期では描いたもので語ってもらいます。会場には2年生の姿も。何点か、今年を代表する作品について、あらためてこのNLで紹介しましょう。  (さのはるひと)
 建築科2年の授業で町家や民家などの伝統的な木造住宅の構造を学んでいますが、後期には、それを受けて真壁の水平荷重に対する耐力を実験する予定です。その前に、一昨年来、実験を行なっている竹小舞既製品(バンブーネット:愛知/福 島製作所製)を二重に張るダブルバンブーネット土壁の実験を行いました。

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 昨年の実験では、貫を挟んで二重にバンブーネットを張ったものに、荒壁土を塗り込んだ のですが、十分に土を充填できず、思った様な耐力が出ませんでした。その反省から、1層のバンブーネットに土を付け、その上からもう1層のバンブーネットを張って押さえ込むという工法により、しっかり間に土を充填した土壁を製作しました。。






 画像は実験風景です。かなり変形していますね。1/30 rad、水平変位で9cmほどの変形となっています。グラフにあるように、12kNほどの荷重に耐えています。昨年の試験体が青、今年のものが黄色です。ずいぶん耐力が上がっていることがわかりますね。初期の小さい変形の場合にはあまり変わらないのですが、大きな荷重、大きな変形になってきてずいぶん差が出てきています。これは最初は表塗りの層も耐力に寄与しているのが、1/60変形あたりから内側の壁土の圧縮変形が重要になってきているからと思われます。今回の土壁では、壁倍率がおよそ2.5倍ほどになっていました。

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 下の画像では、左が1/30rad変形時の試験体下部の様子です。安全限界と言っている辺りですね。うっすらクラックが見えて来ていますが、まだまだ大丈夫です。中央の写真がジャッキで押せる限界の1/11rad変形時のもの。表面の中塗 り土は大きなひび割れが入っていますが、中の土がまだまだよく効いていて、耐力が落ちていません。最大耐力約13kNを出しています。右の画像は、表面の中塗り土を剥がしてみたところです。バンブーネットはそのまま止まっていて、乱れがありません。間の土の様子はよくわかりませんが、上下の貫の圧縮に耐えていると思われます。

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 現実には、伝統町家のような柔らかな構造では、こんな力がかかるかどうかわかりませんが、また、込み栓で止められた接合部が大きな力に耐えられないとは思いますが、金物などで柱脚固定をするような現代的な工法で伝統土壁を設けたい場合には、有効な方法と言えるでしょう。とても高い変形性能が伝統木構造の補強として好ましいように思います。     (さのはるひと)
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