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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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 4月に入り、新学期が始まりました。今年も町家に興味をもった頼もしい新入生がぞろぞろと来てくれました。嬉しいことです。台湾からの留学生あり、ツクバ系大学卒、元大工、体育会系、お母さん、芸術家、めちゃんこ元気な女子生徒、何でもアリですね。今年も楽しい年になりそうです。

 さて、3月にわがよしやまち町家研究室に相談に見えた青年たち、上京区の今日庵近くの古い町家を間借りして、古本屋をしたいとか。どれどれと、見に行きました。





 何だか古いタイプの町家です。あちこち相当に傷んでいて、う〜〜ん、これはたいへんだなあ。沈下も甚だしく、雨が回り込み、腐朽やシロアリの被害が相当です。材も、使い回し材が多く、前にここを借りていた人の扱いも相当にいただけない。はっきり言って、もうあきらめた方がよさそうです。

 でも、でも、奧を見ると、奧に広い土間、変な間取り!今までに見たことがない不思議な町家です。この家の道路側のミセの間を借りることになるそうです。床は剥がされて、土間空間に。梁が頭を打ちそうなくらい低く渡されていて、そのせいか、ツシの床も剥がされている。壁に打たれた板の向こうには、すでに土壁の崩れた気配が。板をおそるおそる剥がせば、やはり、ほとんど土壁はないに等しい状態。隅の通し柱はほとんどアリにやられて芯が抜け殻に。よくこんな建物が建っていられたものです。震度5強で確実に崩壊することでしょう。これをどうしよう?予算はほとんどゼロに等しい?

 またまた、瀕死に面した町家の悲鳴が...。客観的には、もうダメと言わねばなりませんが、でも、何とかしてあげたい。おんぼろ町家だけが持つ不思議な空間の魅力が、僕たちを惹き付けます。本当に限られた予算と、学生たちでできるのは、何とか柱の足元を結び、土壁を塗り直し、最低限の耐力壁を形成してやることくらい。この町家に人が住むというわけでない、昼間、本屋としてのんびりしているだけの町家。万が一の崩壊の折りに、ぺしゃんこにならない隙間を本棚がつくってくれるようにできるなら、何とかなるかもしれないな、と。またまたチャレンジとなりました。
                                     (つづく さのはるひと)


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   もうしばらく前のことになってしまいましたが、東寺町家の西棟の改修シリーズの続編を。3月22日、小雨降る中、波トタンを張りました。雨で丸太足場が滑らないよう、ブルーシートで覆った中での作業です。何とか2日間で張り終え、足場を片付け終えた頃には、辺りは真っ暗。翌日から中国旅行なので、どうしてもこの日に片付けてしまわねばならず、学生諸君たちには無理を言って、やってしまいました。みなさん、たいへんご苦労さまでした。
 この別働隊メンバーはその後、あちこち、やり残した壁塗りやトタン張りを終えて、とりあえず、東寺町家から撤退しました。やれやれ、これでやっと家に帰れるとばかり、新学期までそれぞれの家に帰って行きました。新学期からは、次の町家改修が待っていたのですが、それはまたページをあらためてご紹介しましょう。 で、この東寺町家は現在、どうなっているでしょう? それはよしやまち町家研究室のHPをご覧ください。   
    (さのはるひと)
 muku52.JPG 模型を搬入する

 4月22日、ようやく完成した構造模型を竣工なった椋川の民家「おっきん椋川交流館」(旧栗田邸)に納めた。茅葺き屋根もきれいに完成し、誇らしげな家となって僕たちを迎えてくれているようだ。 

muku51.JPG 楽しそうな額もできている

muku53.JPG 中二階に上がると小屋組が見える

 中二階が耐震補強で新たに塗られた壁も美しく、魅力的な空間となっている。ここは灯り展のような企画には持って来いだ。ただし、下でいろりを焚いているので、煙が充満するが。もっとも、今も焚いているはずだが、そんなに煙くない。いい薪が用意されているのかな。

muku54.JPG 新調なったいろりとアマ

 いろりもくども村の人の手によって築かれていた。まだ土が濡れているところをみると、つい昨日あたりに拵えられたようだ。完全に乾かし、ゆっくりと火を入れないと割れてしまう。ここで地元の野菜をつかってのんびり料理したら美味しいだろうな。


muku19.JPG 裏手にて

 それにしても、茅葺きの屋根はむっくりしていて、実にいい。今回は高島市の施設として生まれ変わったことで、予算がついて復元できたが、これからはこの家のファンたちの手で毎年、少しずつでも茅を集め、蓄えて行かねばならない。かつて村の山にたくさんあった茅場も、近年の鹿の被害でほぼ消失してしまった。まずはその辺りから何とか復元して行きたいものだ。

 椋川(むくがわ)は、滋賀県の湖北、朽木から10分ほど車で北に走ったところにあります。閑かな里の風景や優しい人たち、有機農法のお米、野菜が魅力的。ぜひおいで下さい。交流館では、この家や里のファンクラブ員を募集しています。どうぞ、お気軽に参加して仲間になってください。秋にもなれば、会員があつまり、いろりで鹿肉や獅肉の料理もやってみるつもりですので、お楽しみに。

(さのはるひと)

muku11.JPG 合掌がようやく載った

  椋川古民家の構造模型制作はなかなかたいへん。毎日、夜遅くまでこつこつ作業をして一ヶ月、ようやく、完成に近づいた。図面を10枚程つねに見比べないと、梁の掛かり具合がわからない。これは建築図面を読む力をつけるにはなかなかいい方法かもしれない。1年生が最初に手がける木造住宅の構造模型とは雲泥の差だ。

muku12.JPG ようやく完成

 当初は1階の床を張ろうと、床の束や束石を省略していたが、やはり床板を入れると平坦になって、詰まらないと、急遽、束と束石を入れることにした。僕のいかつい手では入らないので、女子学生にやってもらった。ダイドコと称する中央の火袋吹き抜けのある部屋にいろりが切られるのだが、粘土でいろりとクドをこしらえてはめてみた。クドはまだ現場でも築かれていないはずだ。

muku18.JPG 模型内部を覗いてみる

 構造を見るのにつくった模型であるが、やはり母屋やたるきなどを入れないと、屋根の形が見えて来ない。といって、これらをきちんと入れると、中の構造が見えなくなってしまう。たるきは実際のものよりもまばらに透かして入れ、裏側では一部省略して内部を覗けるようにした。

muku13.JPG つしを覗いてみる

muku20.JPG  模型と同じポイントです


muku15.JPG 完成した模型(正面)

 やれやれ、やっと模型は完成。ただ、これはあくまでもタルキの構造ラインが見えているので、実際の建物はこの上に60cmほどの茅が厚く被せられており、全体のプロポーションはずいぶん違って見えてくる。アクリルのカバーも何とか出来上がり、現地に納めに行ったのは、竣工披露の前日のことであった。(さの 5につづく)


muku06.JPG かや降ろし作業

 この家を残すために自分たちにできること、それはこの家のよいところを一人でも多くの人に伝えること、村の人たちにとって意味のある交流の場所として使いやすい施設として適切な建築計画を行うこと、また耐震のための補強を提案することなどなどである。及ばずながら、出来うる限りのお手伝いをおこなったつもりである。耐震補強を念頭に、構造の実測調査を行い、それに基づいて限界耐力計算法による診断を行った。さいわい、構造部材の断面が大きく、接合部も相当によくつくられているので、いくらかの補強を行いはするものの、全体として、まずまずの耐震性を有することがわかった。補強は主に脚もとを繋ぎ合わせることと、土壁によって剛性の不足を補うというようなことである。今回は屋根の茅を全面的に葺き替えたので、古い茅の単位重量を測定する機会が得られたことを付け加えておきたい。茅は乾燥の度合いで重量が変ると思われるが、東西南北、ほぼ10%程度の誤差で60kg/m2(葺き厚55cm程度)であった。

DSCN8700.jpg 構造模型 火袋部分からつくる

 もう一つ、この家のもっとも素晴らしい構造をより理解するために、学生たちと一緒に構造模型をつくることを提案し、地元の人たちの同意を得て、改修工事の竣工に合わせて制作することになった。

DSCN8713.jpg 模型制作のための道具たち

 縮尺は1/30、松の曲がった梁を、実際の曲がりを拾って一本一本削りながら拵えていくのだが、作業は思った以上に手間がかかった。小さい内反りの鉋を購入したのだが、これがなければ、あきらめていたかもしれない。

DSCN8737.jpg 隅の部分の梁構成

 それにしても、どうしてこんな面倒な梁の掛け方をするんだろうと、模型を作りながら考えた。要は、屋根の荷重を中央の火袋コアと、建物の外周部へと流している。ストレートに柱で受けずに、幾段もの梁で受け継ぐことで、接点の数と動きの自由度を増してやり、そのことで、柔軟に力を伝え流してやることができる。その分、各接点に力が集中しないという利点がある。こんな込み入った梁組を、その前の家がお盆の火事で消失してわずかに1年程で着工し、上棟しているというスピーディーさなのだから、引受けた若狭の棟梁氏は大した力量である。  (さの 4につづく)



 
 
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