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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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棟梁としてというよりも、たった一人プロの大工としてこの現場を支えて来た多田君にとって、最後で最大の難所が、階段。今回は極力シンプルなものをと、標準的なデザインとしたけれども、それでも階段は決して簡単ではない。1/10の施工図を渡して検討してもらったが、見えはともかく、どうやってそれを納めるか、この3日ほど多田君は考えていたようだ。口数がぐっと減っていた。

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多田君の感心するところは、僕の画を見て、必ず一度は原寸図を描いて納まりを確認することだ。外見については、すべてが僕の責任だが、それを実現するために、見えないところで必ず見通しや工夫、場合によっては苦労があり、それを見極めねばならない。見えるまで原寸図を描いて納得しようとする。
側桁(ささら)と段板、蹴込み板のユニット自体はそれほど難しくはないのだが、その上下をどう納めるか、4点とも支持条件が違っている。デザイン的にはある程度、出たとこ勝負のようなところもあって、あまりに細部まで規定しないようにしている。どういう手順で組み付けるかに寄って、「逃げ」をどう取るかが決定され、そこで見えの寸法も若干ちがってくるからだ。
ともあれ、勾配を緩くしたいために、今回は下段側で回り部分をつくっている。蹴込みのある回り階段を柱にきれいに納めるのは、そう簡単ではない。

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どうにか、回り部分をうまく納められた。やれやれ、一安心と、ささらの加工を急ぐ多田君。
応援に来ていただいたベテラン大工さんに一方の桁の加工を依頼し、これは割と早くできあがった。
ところが、この斜めにかかる桁の納まりにちょっとしたずれが見つかった。あれほど慎重に検討を重ねてかかったにも拘らず、見落とした点があったようだ。動揺を隠せない多田君、食事も喉を通らない。その日は皆を先に返して、一人現場で夜遅くまで修正作業を続けていた。

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翌朝、現場に来てみると、ちゃんとささらが架かっていた。やったね。
翌日からは、普段の多田君に戻っていた。どうやら、山は乗り越えられたようだ。上の踊り場の手摺を楽しそうに削る多田君。すごいすごい、本当によくやってくれました。

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踊り場の手摺も難なくできあがった。ちょっと物足りないかな、というくらいにしておこうと寸法を決めたのだが、本当に物足りない感じになってしまった。高所に付き、落下の危険を指摘されないよう、高さをとったために、ずいぶん間延びしてしまった。僕のミスです。ごめんなさい。

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この階段に用いられている杉は本当に良材だ。材を供給してくれている京北森林組合の吹上さんが、今回の仕事の中でも最もよい材をこのために取っておいてくれた。感謝。

階段が出来て、やれやれ、これで後は多田君に細かな仕上げものに回ってもらうことができる。
                                      (さの)

                             

                        



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