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[学校内のあれこれをお伝えします!]
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 年が変わり、3グループの最後に試験体A、石膏ボードに中塗土を塗った耐力壁の水平加力実験を行いました。リーダーのミヤタケです。よろしくお願いいたします。期待としては、石膏ボードに石膏プラスターを塗った壁(試験体C)よりも、粘りがあるのではないかというものですが、さてどうでしょう。

jikken01141.JPG


 いつものように1/300rad から1/150、1/60、1/30、1/20~1/15rad 正負反復繰り返しで荷重をかけていきます。予想通り、初期耐力はあまり高くはないものの、石こうプラスターよりも繰り返しの際の耐力ダウンが少ないようです。ですが、1/60rad あたりから壁面が前面に出始め、全体に面外座屈を見せ、耐力はピークを過ぎてしまったようです。その後、変形を上げて行きますが、耐力はあまり上がらずまま、面外の座屈もそれほど大きくならずに、どうやらなんとか1/15rad までがんばってくれました。

 予想通り、初期剛性はさほど高くないけれども、変形性能はそこそこ認めていいようです。データを整理すると、壁倍率としては1.4倍と出ました。(ばらつきを無視、終局耐力で決定)。これでABCすべての実験が終わりました。全員で記念写真です。

jikken01142.JPG 構造実験参加者全員で記念写真

 3体のデータをさの先生が整理してくれました。結果をグラフにまとめてご覧いただきましょう。
壁倍率は、3体とも終局耐力で決定し、

    A (胴縁+PB+せっこうプラスター) 1.40
    B (5段貫+PB+中塗土)      1.67
    C (胴縁+PB+中塗土)       1.23

となっています。

ABCgraphs.JPG

 同じフレームで、同じ石膏ボードを用いて、下地、土塗りの種類が違うことで、グラフにあるような個性的な違いが出ています。AとBは石膏プラスターと中塗土の違い、AとCは胴縁と貫の違いです。壁倍率計算法で規定されている壁倍率は計算に当たって、ほぼ1/60rad 程度の変形までしか考慮していないようですので、それよりも大きな変形が考慮されていません。実験では、1/30rad から先がどう耐えるのか、どう壊れるのかを注目していますから、1/30rad で突然壊れた石こうプラスター塗りのBなどは、大地震の際には実際には具合が悪そうだと思われます。どこまで変形してもどんどん耐えていってくれる貫工法のCなどがやはり一番信頼がおけそうな気がしました。

 新築の木造住宅にあっては、基準法の壁倍率計算をクリアーしていれば、そこまで変形することはないとは思いますが、町家の耐震補強改修などにあっては、大きな変形に到ることが想定されますので、やはりこうした粘り強い耐力壁を適所に入れておきたいと思います。

 一連の実験の結果発表会を21日に行う予定になっています。各グループごとの発表ですが、どう工夫すればもっとよい壁になるか、グループごとに提案することになっています。また後日、報告をしたいと思います。 (ミヤタケでした。)
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